店長力 > 2012年10月
いらっしゃいませ(^^)
店長の仕事を考える、コンビニ店長の店舗運営マニュアルブログです。
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それは現状を踏まえた改善か
お店の状態について問題点、というのは比較的簡単に挙げることができます。また、すでに作業スケジュールなどが店舗で決められていて、やり方もマニュアル等で全員に共有されている場合に、いわばそれに細かい「いちゃもん」を付けることも比較的容易にできます。

それも「改善」と呼べないこともないのですが、いずれにしろ、どんな店長候補さんでも、内心では1つや2つ、そういった意味での「問題点」に気が付いているはずです。あらためて聞かれるまでもなく、自分から言いはしなかったけど、思うところがいくつかあったわけです。

それで私が言いたいのは、まずそういった、すぐに出てくるような問題点、改善点というのは、先に吐き出させたほうがいい、ということです。

問題はその後です。その後に何を発見することができるか、それ以上何を出すことができるか、というところを問いたいわけです。

多くの場合、何か気付いたことを挙げてみろ、というように指示すると、まず先に

・自分が作業していて、やりにくい点、今困っている点
・他の人の作業の仕方を見て変に思っていた点
・マニュアル通りにするのが面倒くさいとか、自分の考えと違うとか以前から思っていた点

です。あるいは「前に働いてた店では、このようにしていた」という過去の経験や知識を持ち出してきます。

それも別段悪いことばかりではないのですが、それらはたいてい、

・この章で指導された内容を踏まえて、自分なりに現状を見て考えた結果

ではないところが問題なのです。


だから、何の説明もせずに自分なりにやれと言った指導方法を取ると、そのとたんに、せっかく今まで身に付けようとしてきた学習内容がどこかに飛んでしまって、もとに戻ってしまったりする危険性が高いのです。

ただ、そうは言っても自然に考え始めれば最初にそういう類の点が出てくるのは自然なことです。それ自体を否定する訳にはいきません。なので、それを先に吐き出していったんクリアするというか、それを先に片づけてしまうのが良いと思います。
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いったん全部吐き出させる
前で述べたように、店長候補さんがすぐに気が付くようなこと、または、あらためて考えるまでもなく日頃から内心で思っていた点や、もともとあった知識、こういったものを一度粗方出してしまって、言ってみれば、いったん本人の中の「ネタ」を空っぽにしてしまいます。

問題は、この先でいったい何に気が付けるか、ということです。

それ以上に何か指摘点や現状の問題点を挙げるとなると、少なくとも自分なりにあらためて店内の様子や他の人の働き方などを観察するとか、あらためてマニュアル類を読み直すとか、あるいは新しい知識をどこかで仕入れるとか、レベルの差はあれ何か能動的なことをしなければいけません

つまり、実際の店舗における改善というのは、問題のほうが向こうからやってくるというような受け身なことではダメで、意地悪くというか根気よくというか、自分から問題を探しに行くような態度でなければできない、ということを体感させたいわけです。

実際に店長さんならば分かると思いますが、はっきり言って、店舗運営というのは次から次に大小の問題がどんどん出てきて、それを「かわす」というか対処するだけでほとんどの時間を使い果たしてしまうような慌ただしさというか、忙しさがありますよね。

しかし、それだけに終始していては店舗の運営レベルを向上することはできませんよね。一方で、店長さん自身が「実はもっとここを改善したい」といつも考えていることにはなかなか着手する余裕がない、条件が揃わない。そういう拮抗したような状態の中で、それでも最善を尽くしてゆくというような力がないと長期的には運営レベルは低下してしまうでしょう。

もちろん、今の段階で店長候補さんにそういうふうに仕事しろといっても前提が違いますから無理でしょうけれども、実際そういう状態に置かれたときに耐えうる素地を作っておかないとすぐにボロが出ます。

別に、気が付かなければ、気が付いたとしても手を付けずに置いておけば、だれも何も言わないようなところを自ら「いじくって行く」というか、追究してゆく、そのような体力というか腕力というか、それがまず必要でしょう。

すでに提示された、たとえばお客様などに指摘を受けてしまった事柄や、上司などに指示を受けた事柄ならば否応なくすぐに対処せざるを得ません。しかし、実際はそれに終始しているようでは後手後手になってしまい、まともな運営は困難になります。
さて、問題はどこにあるか
それを考えると、たとえば

「お店で何か気が付いたことはないかい?」
「そう言えば、いつも思ってたのですが、あそこの掃除がだれもしてないので汚いと思います」
「そうか、良く気付いたね。じゃあ、今日はいつもの作業は別の人にやってもらうから、君は今日そこを徹底的に掃除してくれ」
「分かりました」

……みたいな「改善ごっこ」は、アルバイトさん相手なら使える(指導効果というよりも、単に実際その場所を清掃させたい、という意味で)かもしれませんが店長になることを前提とした指導としては甚だ不十分です。

指導する側としては、店長候補さんが次々に挙げてくるいわゆる「問題点」を、どんどん片づけていくか、あるいは棚上げしておくかを繰り返して、ある意味で店長候補さんの「ネタ切れ」を待つような格好になります。

もし、ネタ切れどころか本当に有効な改善をどんどん進めてくれるような人の場合には、それはそれでいいです(というか、その場合にはここで指導しようとする内容はすでにクリアしています)。

しかし、たいていは最初にいくつか挙げるのは容易にできるのに、少し経つとそれ以上の問題を挙げること自体が難しくなってきます。

その状態になった時に初めて、

「いかに問題点を探すか」

というような話に入る前提が整ったことになります。

ここでまた議論や話し合いが必要になると思いますが、おそらくここで話す対象となることは、前章で「言葉の問題」として扱った店長さんとしての視点、とか、店内で起こる物事の関連付けの幅、とかの話と重複する部分が多く出てくるのではないでしょうか。

つまり、前章では指導上の例として扱っていた視点や考え方、それを今度この章では実際に問題として捉えることが大切です

ここに至って単なる表面上の安直な問題点ではなくて、今その店舗が置かれている状況の中で核心的な問題点はどこにあるか、あるいは、今のタイミングで着手すべき優先度の高い改善点は何か、というような観点から考えられるように誘導したいわけです。
空白時間を作る
ここで教えること

■ 自分の担当範囲で改善を考える

まず現状自分が行っている業務を効率化することを主眼に、改善を考えさせます。実際に店舗運営、管理する場合にも、まず今ある業務を効率化することによって「時間を捻出する」という感覚が必要だからです。

本人次第ではありますが、たとえば単純に作業手順や方法を工夫してみるのも良いですし、決まったルーチンを変更して作業タイミングを変えたり、行う順番を入れ替えたりすることも可とします。指導する側から見ると、本人が思っている工夫が必ずしも最善でないと見える場合もあるかもしれませんが、ここでは目を瞑ってもよいでしょう。

ここでは、とにかく他の新しい事柄に着手する時間と精神的余裕を作り出す感覚を覚えてもらうことが目的になります。

■ 他人の業務には関与しない

ただし、最初の段階では、自分の時間捻出のために他のスタッフさんに作業を頼んだり、他の人の作業スケジュールについて意見したり変更を求めたりすることは禁じます。あくまでも自分の範囲内での工夫、試行錯誤だけを許します。

他人が絡んでくる改善行動には、また別の複雑な要素が関係してくるので初期の練習の際には混乱を招き安い面があります。

また、人によっては、自分の問題を顧みることなく他人や、外部への批判や指摘ばかり考える場合があります。実際にはそれも改善の余地がある場合もあるでしょうが、ここでの指導上はそういった問題をあげつらうことが「改善行動」である、というような認識を持たせてしまうことは逆効果になってしまいますので、そういう傾向がある人には特に「自分自身の問題から順に考えていく」というような面を強調する必要があります。
不満を力に変える
ここで教えること

■ 小さな改善を蓄積する

ここでの指導に入る以前に、店長候補さん本人がすでに持っていた、あるいは気が付いていた点をいったんすべて挙げさせます。

しかし、おそらくその中にはごく表面的なもの、または、ごく個人的な好悪や単なる趣向の問題が含まれている可能性が高いです。

他に、現状の店舗を見て、すぐに気が付くような点を挙げてくる場合もあると思います。

いずれにしろ、いったん思い付くものは全部まとめて挙げてもらいます。

次に、それを

・すぐに修正、変更
・そのまま保留
・実はそれは問題とは言えない

というくらいに分類します。その上で、簡単に実行できることは実行してもらいます。

たとえば、清掃とか備品の追加、新調、あるいは配置換えといった物理的なことならさしたる問題もなく改善できるでしょう。あるいは、使っているマニュアル類が古い、現行のものでない、または、誤字脱字等がある、といった問題もすぐに修正可能です。

しかし、これは言わば本格的な改善業務を学ぶ前段階の準備に過ぎません。このように表面的な、簡単な不備や問題が山積している状態だと、実際に学んでほしいと考える「改善」について学びにくいため、先に片づけておくのです。
先手を取る
ここで教えること


■ 真の課題を発見する

いったん、本人から見て「とりあえず気付いた点は大方修正された」というような状態にします。言い換えれば、

・これで、現状特に問題ない状態になった

ということです。実はここで集中的な指導が必要な場面になります。つまり、表立った問題がとりあえずなくなって、別段何もない、というような状態になって初めて本当の問題が見えてくる、あるいはそれに着手する余力が生まれる、という認識を持たせます。

ここで、その取っ掛かりとして先に店長候補さんが挙げていた「不満点、特定のスタッフさんの作業方法や勤務態度、あるいは現状のルールで気になるところ」といったものをもう一度吟味することもできます。先に分類して

・そのまま保留

としたような問題をあらためて取り上げることもあり得るわけです。それが、最初それを挙げただけでは単なる不満、個人的な感じ方、という域を出ないものであっても、実はそこに店舗のレベルを大きく向上するヒントが隠されているかもしれません。

それと絡めつつ、指導側が店舗の運営状態を俯瞰的に見た場合の問題点などを解説していきます。つまり、店長候補さんが「問題だと思ってもいないようなところに、本当の問題があるのだ」というような話を継続的にします。

ここでの話は、前章で話した「上位者の目線」「店長などの視点」という話しと内容的に重複するはずですので、それとの関連で理解を深めてもよいでしょう。

そのようにして、相談しながら現状を分析して「課題」として特定していきます。
良い失敗をする
ここで教えること


■ 実際に改善する

ここで本格的な「問題意識」に基いた実際の改善行動を体験させます。この段階では自分の担当範囲というだけでなく、周囲のスタッフさんなどにも関係する、いわば店舗全体に関わる課題が特定され、認識が共有できている状態になります。

この「課題」を実際に解決する、というのがここでの店長候補さんの目標になります。

もちろん、本人任せにせず、逐一指導者が注意や助言を与える必要があります。実質的に解決方法を逐一教えるような格好になっても構いません。ここではたとえば

・ルールやオペレーションの大幅な変更、マニュアルの改訂
・他のスタッフさんたちへの説明、説得、あるいは実践的な指導
・関係各所への相談、申請、事前の通知など
・結果の検証、あらかじめ起こり得る影響への対策

というような様々な点に、同時に配慮しつつ進めなければならない場合が多いので、それを全部本人の判断で実行させるには無理な場合もあります。

しかし、ここでは自力でどこまで頑張れるか、ということは必ずしも重要ではありません。むしろ大事なことは、ここでの改善行動は必ず「成功」しなければならないということです。

つまり、本人にある種の成功体験を獲得させる必要があります。これが、後に本人が店長になった際の管理能力の基礎となるからです。

■ 全体への配慮、整合性を意識する

これは指導要領の本文中にも提示されていますが、実際の改善と同時にここで指導上ポイントとなるのは、まず

1 自分なりに考えるにしても、まず今まですでにやって来ている作業や、役割は今まで通りにきちんと果たすこと

です。一定の基礎の上に、自分なりの考えや工夫を「上乗せする」というイメージです。さらに、

2 自分なりに、といっても、たとえば相談や、許可や、進捗具合の報告といった連動やコミュニケーションを欠かさないこと

も大切だと思います。そして当然

3 その自分なりの意見や考え、行動などが、今まで習得した内容に反していないか

を常に確認する必要があります。
店舗内での立場
通常、店長候補さんというのは同時にその法人の社員であることが多いかもしれません。また、仮にその時点でアルバイトではあっても、店長候補として指導を受けている都合上、店舗に存在する他のアルバイトさんからみれば「上の立場の人」という認識が浸透している場合が多いと思います。

また、だいたいにおいて、店長候補さんは「店長になること」を前提としているわけですから、本人もふつう当然にそのつもりで他のアルバイトさんと接するようになると思います。

そこで、店舗内での店長候補さんの評判というか、他の従業員との関係の面で置かれる状況は、だいたい3つくらいに分類できると思います。一つ目は当然、

1 店長さんと同等、あるいは、店長さんに準じる立場として一目置かれた状態

ある意味、これが一番ふつうな状態と言えるでしょう。

一目置かれる、というのは、具体的にはたとえば次のようなことです。

他の一般のアルバイトさんたちから見た場合、この店長候補さんが指示したり、アドバイスしたりした内容は、そのお店の店長さんに直接言われたも同然というような認識になります。

逆に、アルバイトさんたちは何か聞きたいことや分からないことがあった時、店長さんに聞くのもこの店長候補さんに聞くのも同じことだ、というような認識を持つでしょう。

あるいは、店長に言えないような意見はこの人にも言えないし、この人と話すときにアルバイトさん同士が気楽に話し合っているような話し方もできない。

店長さんの前でやったら当然に叱られると予測されるような勤務態度はこの人の前でもしない、というような感じです。

つまり、アルバイトさん目線で言えば、この店長候補さんはすでに店長など実質的に「同じ」なのです。個人的に仲が良かろうが悪かろうが、それは別として、とにかくこの店長候補さんは「店長さんと同列の人」であり「お店側の人間」に見えるということです。
お店側の人間と見えるか
通常なら、ここまで指導を受けてきた段階での状況としてはこれが理想的と言えます。言い換えると、もしこのよう場状態に至っていないならば、ここで習得すべきは「どうしたら、そういう立場になれるか」「どうすれば、他の従業員にそういう認識を持ってもらうことができるのか」という点になるでしょう。

ところが、実際には必ずしもそうなっていない場合が少なくありません。

まず、店長候補さんというのは実務能力的にはまだまだ学習段階にあり、また、他のアルバイトさんと同じく店長さんなどの管理下に置かれている状況です。また、実際やっていることもアルバイトさんと共通のオペレーションを担当する部分が多いため比較対象になりやすく、ともするとアルバイトさんなどから見ても本人の不足や問題点などが目立ちやすい、あるいは、話題に上りやすい立場にあります。

些細なことも多いのですが、たとえば

「あの人が作業した後は次の人が大変だ」とか、
「あの人と一緒に勤務すると自分のほうばかり負担が多くなるから嫌だ」とか、
「あの人はみんなと違うやり方をするので、やりにくい」とか、
「この間、お客様に対応していた時、こんなこと言われていた」とか、

そういう、通常のオペレーション範囲内での批判とも愚痴とも言えるような話が出ることが多く、それが悪い意味で「レッテル貼り」されてしまう傾向があります。

これは非常にまずい状態だと思います。いつの間にか

2 むしろ通常のアルバイトさんなどより問題点が多い「批判の的」

という存在に陥る危険性があるわけです。

初めからそういう点に注意して周囲のスタッフさんとの関係を意識的にコントロールできる人だったら、まず大きな問題は起こらないと思いますが、こういう状況に陥る人というのは、そもそも認識としてそういう危険性を想像もしないで安易な行動や発言を平気でしてしまうところがあるので、実際しばしば発生します。
明らかな問題は修正する
悪い意味で「批判の的」になってしまう原因は、もちろん第一に、

実際批判を受けやすい発言や、行動作法の不足点が多い

という点です。

当たり前ですが、特に批判を受けやすいのは礼儀とか、根本的なマナー(たとえば使ったものを片付けるとか、時間を守るとか)とも言えるような部分で目立った不足がある場合です。やはり、それを修正する努力はしなければならないです。

もちろん、どんなに順調に業務を習得してきた人でも、指導している側の人から見れば、まだまだ問題点が散見されるのは、ある意味当然です。否の打ちどころがないんだったら指導などほとんど必要ないわけですから。

しかし、こういう批判めいた話がアルバイトさんなど「下の人」から多く出てくるというのはおそらく度を越しています。単に子細の差異や不備が少しある、という程度ではアルバイトさんなどがそれを殊更に取り上げて指摘することはまずありません。

また、仮にいくつか指摘できる問題点が見られたとしても、今までの指導内容が理解されているとすればその自覚は容易なはずで、仮に何か言われても自ら速やかに修正する姿勢があればたいした問題にならないで済むはずです。

ですから、批判の的になってしまうような店長候補さんの場合まず考えられるのは、ここまで指導を受けてきたけれども、それが期待通りに習得されていないままここまで進んで来てしまったのではないか、という点です。要するに、指導要領の各項目をしっかり修得し、それが実際やっている業務にも十分反映されているということを確認せずに先を急いでしまった結果かもしれません。

そして、本人にはその自覚がない、という場合に周囲からの批判が集中してしまうのではないでしょうか。

この場合には、本来は避けたいところですが、再度以前の項目に戻って習得し直す必要があるでしょう。
店長としての根本的な意識
しかし、ここまでの指導内容をある程度着実に身に付けてきたという前提で考えると、それほど大きな問題点がいくつも残っているというのは考えにくいかもしれません。

実際には多くの場合、この段階の店長候補さんは、日常的なオペレーションや、アルバイトさんと共通する作業の範囲ではある程度「できている」という状態に見えることのほうが多いと思います。少なくとも、他のアルバイトさんと同等か、それ以上に動ける人が多いと思います。

もし、それなのに批判が多く起こってしまうという場合には、別の面での問題が大きいと思われます。

で、ふつうに考えればそれはいわゆる「態度」とか「物言い」あるいは周囲の人とのコミュニケーションの仕方、といったことになると思います。そういった観点で指摘や説明をして挙げることも有効な場合があると思います。しかし、もしかすると見落としがちですが、私が思う一番大切な問題は、おそらくそういうタイプの人は、

自分の立場を周囲に対して明確化できていない

という場合が少なくないということです。そして、たいていどれと深く関連していると思うのですが、

アルバイトさんなど、少なくとも将来自分が管理、指導しなければならないような「下位者」に対するコントロール力、グリップ力がない、という点です。

比較して考えると、たとえばその店長候補さんを指導しているほうの人というのは、当然だれが見ても「お店側の人」であるのは自明でしょう。または、そのお店の店長さんなどもそうですが、アルバイトさんというのはふつう、明らかに「お店側の人」だという認識があると、その人に対する批判を(たとえ内心では感じても)気軽に周りの人に口にすることは避ける傾向があると思います。

通常ごくふつうのアルバイトさんにとっては、お店側の人をうっかり批判したりすると自分の立場のほうがヤバいですから、そんな言っても何のメリットもないようなことをわざわざ伝えようとは思わないのです。

もちろん、特に個人的に仲が良い仲間どうして特定の人の悪口を言ったりすることはあるでしょう。また、そのアルバイトさんが非常に自信家だったり、あるいは、自分は特に信頼されているという自負のようなものがあったりすれば、その手の話を店長さんなどに直接してくる場合もありますが、そういう場合はむしろ適切な手を打つ材料として有効な面がありこそすれ、ここで言っているような「レッテル貼り」みたいな問題にはなりにくいでしょう。
立場のあいまいさが一番の原因
アルバイトさんは、自分と仲が良い「アルバイト仲間」の批判もふつう言いません。他のアルバイトさんに愚痴ったり、または本人に直接やんわりと言ったりはするかもしれませんが、それを店長さんなど「お店側の人」に言ったら「告げ口」のようになってしまうからです。

つまり、特定の人からではなく、むしろ何人も、あるいは店舗にいる大多数の人が、その店長候補さんのだめな点をあげつらい、問題児みたいなレッテル貼りをしてしまう、というような状態に至るというのは、かなり異常な状態なのです。

それで、そうなってしまう原因として、まず見落としがちなのが、先ほど述べた

自分の立場を周囲に対して明確化できていない

という点なのです。単純に言うと、この場合、今批判にさらされている店長候補さんというのは、要するに周囲の人から明確に「仲間」とも思われていないし、かといって明確に「お店側」とも思われていない。だから、割と気軽に非難したり、日常的に話題になったりしやすい。要するに立場上「浮いている」わけです。

その、ある種の中途半端さ、どういう前提で接していいのかよく分からないような感じ、そこに原因があるのではないでしょうか。

ところが、この、いわゆる立場の明確化、といった場合にも、それは2つの場合があって、まず

・本人が明確に「店長候補」という自覚をしていない場合

があり得ます。これは、本来この段階で語るべきことではないはずですが、人によっては、ともすると目の前に提示された指導内容をこなすことだけに意識が埋没してしまい、そもそも何のために指導を受けているのか、最終的にどうなればいいのか、といった面が抜け落ちている場合もないとは言えません。

こういう面は、ことあるごとに認識をさらに深める機会を持つ必要はありますし、指導を通じて何度も確認しなければいけない点だと思います。
自分の問題と、周囲の問題
仮にそのようにいつも「店長になる」とか、先々の自分の進むべき道や方向性を強く意識しながら指導を受けてきたとしても、同時に

・それはあくまで自分の問題であって、周囲の人とは関係ない、と思っている場合

があります。つまり、自分では自覚しているつもりで、それなりの努力をしているのだとして、しかし、それを「人に言う必要はない」とか「これは私の問題であるから、周りの人は関係ない」というような感覚がある。

もう少し抽象的に言うと、そもそも、たとえば自分が店長という立場になるという目的がある時に、それが「自分一人の努力でなる」ものだと考えている傾向があるように思います。

実は、それは少し心得違いであって、もちろん指導してくれる人などのこともそうですが、それと同時に、というか、本当はそれよりももっと多大な影響を与えるのが、いわゆる環境なのであって、自分が店長になる、もっと言えば、より実力のある良い店長になれるかどうか、というのは、今仕事を学んでいるその環境によるところが大きい。

これを裏返して言うと、早くより優れた店長になるためには、今いるその環境を自分の味方に付ける必要がある。少なくとも、目的にとってマイナスな影響を与えないように、環境そのものを選択し、管理していかないといけない。

それは、今働いているそのお店が、たとえばお客様にとって良い状態かどうか、というようなことと同時に、いや、本人にとってみればそれ以上の重要性を持つと言っても過言ではないでしょう。

ここで言っている環境というのは、要するに具体的に言えば周囲に存在する他の人たちとの関係がほとんど決定的な意味を持ちます。本当に店長として立ちたいと思っている店長候補さんならば、本来その認識を持って、周囲の仲間との接し方や店内行動を選ばないといけない。この章まで進んできた人ならば、そろそろこういう面も気が付かないといけない段階と言えます。
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