店長力 > 2006年05月
いらっしゃいませ(^^)
店長の仕事を考える、コンビニ店長の店舗運営マニュアルブログです。
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「掟」思考を突き崩す
実は、前の答えは一見模範的でありながら実は、よく陥りがちな典型的な間違った答えだ。

つまりこれは、いわば「頭でっかちな答え」であって、実際のお客様の意識や感情からはまったくかけ離れている。いや、実際にかけ離れているかどうかという以前に、そもそもお客様の期待に基づいて答えようとしていない、と言ったほうがよいかもしれない。

もちろん「私は店員のお声かけを非常に重視する」と言うお客様も中にはいるだろう。昨今は接客業やサービスといったテーマがメディアなどで取り上げられる機会も増え、「お店というのはこうあるべきだ」というようなイメージがより定着しているので、事実お声かけがダメだと

「あ、このお店は指導が行き届いてないな」

などと感じるという人も増えていることは確かであると思う。しかし、それにしても、少なくともこれが、多くの人に共通する「当たり前の期待」だというのはかなり無理があるだろう。

特にコンビニやファーストフード店でアルバイトをするのは、学生さんなどの比較的若い人たちだ。では、彼らはふつう、「いらっしゃいませ」としっかりお声かけされることを望んでお店に入っているだろうか。

そもそも若者の礼儀のなさ、あいさつしない、公共心がない、というような問題が取り沙汰されている昨今である。そんな彼等が、お店に入ったら「いらっしゃいませ」と元気にあいさつされることを「当たり前に期待している」とは、少しおかしな話だと思わないだろうか。

にもかかわらず、反射的にそのような答えをしてしまうところに実は問題がある。つまり、アルバイトさんであっても、一般的な販売業・接客業に対するイメージを持ちながら応募し、面接に望み、採用される。その時点ですでに、

お客としてお店を使う時の心境とはかけ離れた

意識を自ら作り上げてしまっているのだ。それは、一方では仕事に向かう姿勢として評価できる面もあるが、これを放置しておくと先に述べたように

「とにかくお客様は大事、ということになっている」

というようなごく表面的な認識のままに育ってゆくことになる。これは、たいていアルバイトとして短期間勤務する範囲ではそれほど影響がないにしろ、ある程度技術が身についてきた後の段階である種の「壁」になってしまう要因になると私は思っている。

だから、まずこういったステレオタイプな、「掟」思考を突き崩すという手続きが早期に必要なものと考えている。
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期待の段階


お客様の期待の種類と、その結果によってどういう気持ちになるかをまとめると、

①当たり前の期待を裏切ると→怒ります。そのお店に行かなくなります。
②当たり前の期待に応えると→何とも思いません。当たり前ですから。

③高い期待を裏切ると→しかたない、とあきらめるでしょう。
④高い期待に応えると→よかったなあ、と満足します。

ですから、まず①は絶対やってはいけません。せめて②でないといけませんね。そして、④ができるお店になることが必要です。

では、④が一番よいでしょうか?実はもっと良い場合があります。それは、お客様が思いもしなかった良いサービスができた場合です。

⑤期待以上のサービスができると→お客様は感動します。⑤まで実現できる販売員は、とても貴重な人材になりますね。

当たり前のことを当たり前にすること。
いつもお客様を満足させようと努力すること。
時にはお客様を感動させようとすること。

このことを絶対に忘れないことが、良い販売員・良いお店を作る条件です。

なんだかとても難しいなあ、と思ったかも知れませんね。でもそんなことはないんです。だって、私たちは仕事をするときは販売員ですけど、ふだんはいろんなお店を使っているんですから、どうされたら満足か、どうされたら感動するのか、本当は知っているのです。ただ、お店に来て、タイムカードを押して、「仕事だ」と思うとつい忘れがちになってしまうだけなのです。

今日から、ひとつひとつ仕事のやり方=技術を覚えていきます。その時に、お客様の期待に応えるという意識を常に持ち続けられれば、すばらしい仕事ができます。そしてあなたは絶対に、誰もが認めるすばらしい店員さんになります。そしてこのお店もすごく良いお店になることができます。

逆にこのことを忘れているお店は必ずだめなお店になります。これは、間違いのないことで、例外はありません。

なぜそれが、間違いないかというと、すべてお店というものはもともと、お客様の期待に応えるために存在しているからです。



お客様の期待を根拠に、店長さんはもちろん、各スタッフさんが意識と技術の両面を維持・向上してゆくことが、お客様の「満足・感動」につながってゆく、というイメージを与えるわけだ。この段階では、まだスタッフさんは具体的な作業や接遇時の個別の事例についての知識はないのだが、まず大きな枠としてこのような「流れ・図式」を念頭に置くことは有効だ。

それとともに大切なことは、以後具体的な指導に伴っていつもこの流れを思い起こさせ、

この文脈で何事も説明すること

それによって、イメージを強化すると同時に、具体的なオペレーションや事例が、仕事の規準やお店の大きな目的・方針とどのように対応しているかを理解することになるからだ。
はじめての接客
お店にいると、だんだん自分の動きや業務の進め方がパターン化してくる。あえて言っておくと、実はそれは別に悪いことではない。

ただし、一点だけ注意しなければならないことは、それぞれの「ひとりのお客様」という感覚を見失わないことだ。決して、

お客様が、あなたの作業パターンに合わせる

のではない。それを押し付けるとしたら、それは「売る側」の傲慢だ。たとえば、最近よく取上げられる事例だが、店内で作業している時に、レジが混んでいるのに応援に来ない店員、というのはお客様から見ると非常に腹立たしく思える。しかし、ともすると

「私は言われたとおり作業しているだけで、今レジの担当ではない」

とか思って、平然としている人もいるかもしれない。むしろ、混んでいる時に限ってお客様がレジに並び出す、などと文句を言うスタッフさんも実際いる。これなどは、作業の流れがどう、自分の担当範囲がどう、という問題以前にそもそも、

お客様の期待を読もう

という意識が欠けているからこそできる態度だ。

さて、これに異論を唱える人はもちろんあまりいないと思う。ところが、今度はそれが身に付くと、

とにかくレジに早く駆けつけること

が目的になってしまうと、これもいけない。つまり、お客様の期待があって、それに対応して何か一つ改善を加えたからといって、今度はそれが十分であって、常にどのお客様に対しても通用する、というふうに慣れてしまってはいけない。これは、一生けんめい仕事に取り組んでいるスタッフさんであっても陥りがちな注意点である。

これでいいと思ってはいけない

そして、つまりこの心理は

お客様というものを「全体」で考えている

から陥ってしまう。目の前に現れたお客様は、一人ひとり、一回一回まったく異なる期待を持ってあなたの前に立つのである。ある程度パターン化できるとはいえ、この気持ちを忘れてしまうと、あっという間にお客様の期待は見えなくなる。だから、気持ちの面では、あなたは

今日、今初めて接客の仕事を始めた人

のような心構えをずっと忘れないことである。
販売とは、取り返しの付かない取引
販売というのは、一つの契約であり、取引である。しかし、小売店で行われる取引は、たとえば商品説明をじっくりと行った上で、契約書を交わして、というようなタイプのものとはその意味がまったく違う。

いわゆるセルフ・セレクトのお店(コンビニやスーパーのように、売り場から自分で買いたい商品をレジに持ってきて買うお店)では、お客様がレジに商品を持ってきた時点から、この契約取引はいわば一瞬にして行われ、お客様がお金を払ってお店を出て行くと、たいてい「追跡不可能」になる。つまり、お店においては取引はほとんど一発勝負といった傾向がある。この点は注視すべき特徴だ。

そもそも、販売とは、「一期一会」その一瞬がすべて、というような仕事なのだ。

これに付帯する、お店のすべての作業は、それぞれのお客様との、この「一瞬」に対する準備であり、構えであると位置付けるべきなのだ。やっているほうからすれば、毎日ほとんど同じ作業を繰り返しているという感覚になりがちだ。コンビニなら「あ、レジ、またレジ、あ、またレジ」という意識になってしまうが、販売とは本来そういうものではない。

その条件で考えると、もし、お客様の買い物が何らかの原因で「うまく行かなかった」場合、これも原則として「もう取り返しがつかない」のであり、その事実をなかったことにすることはもうできない。

常連さんだったら、また来るからその時に前回来店した時の話をすればいいとか、連絡先や氏名を記入してもらってあるから、顧客名簿のようなものが記録されているから何かあったらいつでも連絡はつく、という場合もあるにはあるが、それらの手段を用いた事後的な対応はいずれも例外的な処理と考えるべきで、どんなに真摯に、丁寧に、親切に対応しようとも、それらはすべて次善策でしかない。

販売というのは、そういう緊張感を持って行うべき代物だ

という心構えは前提としてもっておくべきだと思う。
お客様との関係は継続している
さて、1回1回の取引はまさに瞬間的なものだと言ったが、それは、お店と、お客様との関係がその場限りのものだということではない。

むしろ、お店としてはお客様との関係をいかに継続するかということが大きな問題であり、みなそのために自店のサービスレベルを向上しようと躍起になっているのだから。

仮に、お店に来るほとんどのお客様が「はじめて来た」お客様だったとしよう。その場合、言い方は悪いが、接客とか、長期的な店舗のイメージだとか、そういったものの重要性は、著しく低いことになる。だって、そのお客様は再び来る可能性はほとんどないのだから。それなら、その時の、たった一度の買い物をいかに完全に成立させるか、また、新規の顧客をどれだけ増やせるか、といったことだけを追求したほうが良いということになる。

しかし、たとえば、標準的な立地のコンビニの場合、総客数に占めるリピーターの比率は、非常に高い。イチゲンのお客様をターゲットとしているコンビニというのは、おそらく全国でも数えるほどしかないずだ。他の業界、お店でも、リピーター獲得の重要性は言うまでもない。

そこで、そんな時、実際に現場で働いているスタッフさんが、いつも「その場限りの対応」を繰り返していたら、どんな影響があるか、考えてみると恐ろしいことである。

別に、全部のお客様の顔を覚えろとか、一人ひとりと仲良くなれとか、そういうことを言っているのではない。しかし、もし、スタッフさんのほうは、毎日毎日、出会うお客様を「今日はじめて会ったような」態度で接客してしまう。お客様の方は、「あ、またコイツか・・・」などと思いながら毎日毎日そのお店を使う。そんなアンバランスな接遇が何週間、何か月と繰り返されていたらどうなるだろうか。

それで、たまに売り場の改編を行ったり、キャンペーンを打ったりしたところで、ほとんどのお客様がリピーターなのだから、そもそもお店の心底は見透かされている。

あえて分けるならば、専門品を扱うお店や、アパレルなど、ある程度「高い期待」を持って来店されるお客さまが多いお店では、イチゲンさんの取り込みも大きな問題であると思う。しかし、コンビニ、スーパーマーケット、また、その他業態でも、主にお客様の「当たり前の期待」に応えることに主眼が置かれるお店であるならば、その場その場の対応に終止するレベルではなく

お客様との継続的な関係作り

をオペレーションのテーマに据えたほうが正解だという気がする。
誰のお客様か
お客様は、お店に買い物に来て、あなたに対応してもらって、喜んで帰ってゆくだろう。では、それは誰のお客様なのだろう。そう考えると、やはり、第1には

「お店のお客様である」

ということになる。つまり、厳密に言えば、毎日お店にやってくるお客様というのは、別に

「あなたのお客様」でもなければ、
「店長のお客様」でもない。

チームとしての、お店。「お店のお客様」に他ならない。

野球で言えば、たとえば、あなたは4番打者で、チームの誰からも信頼され、ファンも多いとしよう。みんなあなたのプレイを見るために熱心に球場へ通う。あなたは、毎日のようにホームランを打っている。今日も4打数4安打。打点も独り占め、だとする。

でも、試合に勝ったのは誰か、と聞かれたら

「勝ったのは、あなたではない」

つまり、勝ったのは、あなたがいるそのチームである。

では、たとえば、あるお客様が、あなたの接客が非常に素晴らしいと言って、感動して、ファンになってくれたとする。そのお客様は、もうあなたの顔を見るためにお店に来ているようなものだ。実際、あなたがいる時しか、お店に寄らない。では、そのお客様は、いったい誰のお客様か?

実は、お客様というのは、最初はお店のスタッフ個人の価値をそれほど重視していない。お客様は最初、お店の「看板」を見て入ってくる。つまりお店のシステムや、商品構成に期待してお店を利用する。お店のスタッフ個人と仲良くなろうと思って来ているのではない(もちろん、そういったこと自体をサービス内容とするお店を除く)

これは、一緒に働いている従業員でも同じだ。例えば従業員は別に「この人だから」指示に従おうとか、「この人とだから」協力しよう、この人がいるから一生懸命働こうと思って集まってきたわけではない。

「店長だから」従うべきであるとか、「職場の人間関係上」協力的に仕事しようというだけである。つまり、お客様も働くスタッフも、お店に対する信頼、システムに対する信頼があって集まってくる。私たちは、それを利用して仕事をさせてもらっている。このことははっきりと認識するべきだ。

自分が今やっていることすべてが自分の実力によるものだと思ったら大間違いなのだ。むしろ今何とか販売という取引が出来ているのは、企業とか組織、お店、そして共に働く人達とお客様の力を使わせてもらった結果なのである。もし今それを奪われたら、あなた自身はどれほどのことを出来るのか。自分だけの実力ではたった一人のお客様を呼ぶことすら非常に難しいのではないのか。
個人が「不要」なわけではない
あなたは、チームの中にいるひとりのメンバーである。ところが、それとは別に、個人どうしの交流や、何らかの感情が日々発生するというのも当然のことだ。

それぞれのお客様は最初全然意識していないが、次第にそのお店にいるスタッフ個人に対する好悪によってお店を評価するようになる。きっかけはどうあれ、人間は最終的には気に入った人との関係を優先する傾向がある。

たとえば、あなたがお客様との関係をそこまで続けることができたら、そのお客様にとってはこの店は、もうただのお店ではなく「あなたがいるお店」ということになる。

従業員、職場の仲間との関係も同じだ。あなたは、別に組織内の立場や地位に拠らずとも、あなたの人格とあなたの仕事について信頼を得ることができる。そして、そうなればもはや「あなただからこそ」受け入れ、協力し、ともに働くことにやりがいを感じる人が増え、集まるようになる。

ただし、これは時間とともに自然に発生する「慣れ」とか「なあなあ」とは少し違う。お客様にしろ、仲間にしろ、慣れやなあなあで発生したコミュニケーションは意味が薄く、しかももろい。おそらく、多くの職場ではそのレベルでのコミュニケーションが大半を占めている。それだけでは儚い。

それは、先に言った、一瞬一瞬、一回一回の積み重ねがあるかどうかで決まると思われる。だからこそ

「あなたでなければならない」
「あなたがいるからこそ」

というものが生まれる。その段階にいたることが望ましい。

このように、一方では自分の力を過信する危険から自分を守らなければならないし、一方では、すべてを取り払っても仕事が出来るような自分自身の力を高めてゆく努力も必要だ。それらは相反することではなく、むしろ相乗的に効果を発揮するものだと思う。
代表者として接する
お店の代表者は誰だろうか。

もし「それは店長です」「オーナーです」「会社です」とか言う人がいたらちょっと待ってほしい。もちろん、それは間違った答えではないかも知れない。しかし、それは無意味な答えというものだ。

なぜこの質問をしているか、ということに配慮してほしい。お客様に対してだってそうではないか。お客様がお店の人に何か質問して来たとき、その言葉をまったく額面どおりに聞いて、受け答えして平気でいるスタッフさんは、「お客様の期待」について配慮していると言えるだろうか。

もう一度質問するが、「お店の代表者は誰か」

そう、もちろんそれは「あなた」だ。お客様の視点に立ってみればすぐ分かることなのだが、なかなかそれができない。お客様にとっては、お店に入ったら、自分の目の前に立っているスタッフさん、つまりあなたは、そこに「お店を代表して立っている」のだ。そうでなければお客様が困る。

これが、世間一般では常識。しかし、悲しいかなコンビニ業界一般の常識とはなっていない。そんなだから「たかがコンビニ」と言われる。いやそれどころか、働いている人自身が「たかが」という気持ちで働いていることも事実少なくない。まったく悪循環である。

たとえ話だが、スポーツで言うと、バスケットボールやサッカーでは、誰もが「ボールを持っている選手」をまず注目するだろう。もちろん他の選手だって、別に休んでいるわけではない。他の選手がやっていることは、つまり「ボールをもらうために」やっている。パスをつなぐために走っているわけだ。

で、その「ボールを持っている選手」は、誰のためにボールをキープしているのか。自分のためか。給料をもらっているからか。仕事だから相手ゴールにボールを運ぶという作業をこなしているのか。

そのボールは誰のボールか。

その選手は今、「チームを代表してボールを持っている」のではないのか。

そのチームは誰のチームか。

もし「監督のチームです」「オーナーです」「会社です」とか言う選手がいたら、あなたはその選手のファンになりたいと思うだろうか。
今いるお客様をよく見よう
お客様が何を思い、何を求めているかを読み取るにはまず、今現にお買い物にいらっしゃっている、そのお客様をよく見て、その心理を察しながら接することが大切だ。

販売業、サービス業といったお客様にじかに接する仕事をする上で最も重要な資質は

「お客様を観察する目」
「お客様の心理を敏感に察する心」

これを欠いては仕事が成り立たない。このためには、特に次のようなことを意識してほしいと思う。

(1)自分に余裕がないと相手のことは考えられない
(2)言葉の裏にある気持ちを受け取る
(3)自分の都合(お店の都合も含む)を優先しない
(4)お客様は常に目の前にいる

非常に単純で、でも非常に個人差の出るポイントだと思う。

自分が焦ったり、感情を乱したりしているのに、お客様のことなど考えられる道理がない。まず、お店に立っているからには、仕事に集中し、他のことに気をとられないようにする。自分のこと、内部のことに執心していると、見えない。

また、ついやってしまいがちだが、自分にとっては仕事の一環だと思っていても、お客様にとってそれは仕事とはみなされないことがある。たとえば、お店内部の事情や人間関係の問題。「それだって仕事の内だ」と思うかもしれないが、お客様にはまったく関係ない。

また、日常行う作業の中で、直接お客様に関係ないものもある。たとえば、「レジの現金をチェックする」ことは、直接的には、お店の管理のために必要な業務であって、お客様のためにする仕事ではない。特にコンビニなど24時間営業のお店だと、営業時間中に必ずどこかのタイミングでこういった作業をしなければならないが、前提として、お客様を待たせたり、並ばせたりしてまで行う業務ではない。
作業スピードは必要
つい目の前のお客様が見えなくなってしまうのは、内部の事情や、心理的なものばかりではない。

もう一つ大きなポイントは、「忙しさ」に束縛されることだ。あれもこれもやらなきゃいけない。間に合わない。そういう気持ちにとらわれていると、一つひとつの動作や、一人ひとりのお客様への接し方がつい雑になってしまう。

「忙しい」というのもまた、お店の側の問題

であって、お客様にはまったく関係ないこと。時間を短縮してよいところと、してはいけないところをきっちり区別する必要がある。コツとして、

お客様に近いところほど、時間をかけて丁寧に行わなければならない

と覚えておくと良いと思う。たとえば、お会計のときに、バックヤードでの作業時と同じ感覚で作業してはならない。お客様が見ていない場面では、スピードを重視した動作をとっても、お客様に近付く時、すれ違う時には慎重に、ゆっくりと動く。

さらに、お客様に商品をお渡ししたり、お金を受け取って、おつりを渡す時は、最も丁寧にしなければならない。スタッフさんはしばしばカン違いする。ここでの時間を「節約しよう」などという考えは間違っている。

とはいっても、今言ったことを実行するには、実は、そもそものあなたの動作スピードが一定以上に早いということが前提になる。もともとすべての動作においてスピードがない人が、より丁寧に、ある部分では急いで、というような調節ができるはずがない。

だから、前提として、基礎的な動作において、十分なトップスピードがあることが先に必要だ。それが先。ここを誤解すると、単なる「トロい人」になってしまう。
言葉をそのまま受け取らない
その言葉の裏にある気持ちを受け取る

お客様は、お店のスタッフさんに様々な声をかけてくる。しかし、それはたいてい不完全なもので、本人が思っていることをすべて確実に伝えるというのは難しいものだ。だから

「相手がこう言った」
「だから、言われたとおりにした」

というような単純な認識では、お客様の期待に応えることはできない。場合によってはトラブルになったり、問題が生じる。

これを避けるには、当然、より正確な接客用語や敬語といった「言葉」に関する知識や訓練も必要になると思うが、それ以前に、そもそも言葉面ではなく、相手の「意図」を読み取る練習をして欲しいと思う。

つまり、相手はその言葉によって、本当は何を伝えようとしているのか、ということを読み取る力が必要だ。

たとえば、よく、お客様に「~はありますか」と聞かれることがある。この質問は、まともに言葉の問題として考えるならば、

「はい、あります」か、
「いいえ、ありません」

と言うのが一番「正しい」ことになる。しかし、もちろん、それでは問題がある。言葉として正確なのと、相手の意図を正しく読み取ることとは別だからだ。お客様の「~はありますか」という質問の中に、

「あるかないか」
「どこにあるのか」
「いつ入荷するのか」
「どこに行けば手に入るのか」

というようなたくさんの意図が読み取れる。また、そう質問したからといって「あったら絶対買う」とも言っていない。

「欲しいのか」
「見たいのか」
「この店に置いてあるかどうかを確認したいだけなのか」

さらにさまざまな場合が考えられるはずだ。そして、対応も、次のようにいくつかのパターンに分かれることになる。

(1)聞かれた商品があることが分かっている場合
(2)あるかないか分からない場合
(3)ないことが分かっている場合(売り切れの場合)
(4)〃(そもそも取り扱いしていない場合)
(5)〃(何らかの理由で取り扱いできない場合)

それによって、何と答えるべきかは変わってくるはずだ。ひとつの質問にも、これだけのバリエーションが考えられる。これを瞬時に読み取るためには、単に言葉の使い方を練習するとかいうレベルで考えるだけでは全然足りない。
プロ店長とアマ店長  ~その1~
雑誌の取材時の原稿が残っていたのでご紹介します。




Q 店長が変われば店が変わり、スタッフのヤル気も変わると言われますが、昨今は特に「店長力」が求められている時代です。今、店舗経営において店長の「手腕」が重要になっている時代背景についてお話しください。


A はい、大きな要因としては、次のような傾向が挙げられます。

□ オーナーと管理者の分離
□ チェーン化の普及によるブランドイメージの統一
□ 組織的運営の一般化
□ 市場成熟による個店価値の低下
□ 被雇用者の労働観の変化
オーナーと管理者の分離
今、「お店をやりたい」という人は2タイプになっていて

1 自分のお店を持ちたい人
2 職業として店長になりたい人


がいます。特に最近は後者に対するスキルアップやメンタルなケアが重視される状況です。彼らは、まず

○ずっとやりたいとは思っていない
○経営者感覚が希薄
○目的があいまい

といった特徴が見られます。とりあえず目先の条件だけを見て自分の行動を選択してしまうところがありますね。ですから、まずスキルとか、経験値という問題とは別の前提的な問題が大きいと思います。このタイプの人たちは、やる気を出させ、持続させ、目標を与え、評価してあげなければならない。いわば、今の結婚観と似ている気がします。

そして、

1 自分のお店を持ちたい

という人であっても、よく話を聞いてみると、それはいわばステレオタイプなスローガンであって、態度としては後者とあまり変わらない、という場合が少なくないので、注意が必要です。

いずれにしろ、以前は「お店をやる」ということ自体が、家族や周囲の人々の了承を前提とした、人生を決定付けるほどの大きな選択であり、一定の覚悟や決心が伴っているものでした。

ただ、依然と同じ感覚で、とにかく頑張る、と気合だけは十分という人、または、売りたいもの、やりたいお店のイメージもはっきりしていて、これは大丈夫だろう、という人であっても、一方で今の店舗経営を取り巻く状況は、以前とかなり変わっていますので、それだけで乗り切れるとは言い切れない面もあります。今の経営は一方で仕組みも考え方も高度化しているからです。
チェーン化の普及によるブランドイメージの統一
昔のように、単にひとつのお店を守ってゆくというスタンスが許されなくなっています。チェーン店がごく当たり前になり、お客様も、統一された、ある意味で画一的なサービスを提供されることに違和感を持たなくなっています。現場では、お客様を大切に、地域に密着した、というキーワードはむしろ、すでに陳腐なものにさえなっていますが、一方で、それとは別の流れがあることも否定できません。

店長さん、オーナーさんも、それは何となく気が付いているはずなのですが、今までの経験や、具体的な変化への対応の難しさから、見て見ぬふりをしてしまいがちなのです。

それによって、今、多くのお店では

「お客様志向」

がごく表面的で、お題目のようになってしまっていると感じます。
組織的運営の一般化
お店を一単位の組織である、と捉えることがポイントだと思います。そして、現場に立つ人はチームです。と言っても、みんなが仲良く、楽しく働ける、というような意味でのチームワーク(まあ、それも大切な要素ではありますが)ではなく、各々が、連携しながらも自分の役割をしっかり自覚し、それを高い完成度で果たす、というようなチームとしてのあり方が問われていると思います。

店長さんの思い入れやキャラクターだけでお客様に訴求するという時代は過ぎ去りつつあります。むしろ、背景に組織として、チームとしての力が確立されていて初めて、個性が光ってくると言うべきでしょう。

いわば、昔は草野球チームのような運営が許されたけれど、今は、プロチームでなければ市場に参加すらできない、というようなイメージがありますね。
市場成熟による個店価値の低下
昔は、とにかくお店の絶対数が限られていたんです。今は、特に都会では、街角に新しいお店ができること自体、まったく珍しいことではなくなりましたよね。たとえば、

「今度、あそこにコンビニができるんだって」

という話題が、そもそもニュース性を失っているんです。今では、

「あ、またつぶれた」
「あ、また何かお店ができた」

みたいな感覚でしょう。不景気とか、個店ごとの平均売上の低迷とかいう問題は、目に見えることですから、もちろん大きいでしょうが、それよりも、そもそもお店と言うもの自体の価値が、以前と比較して低下しているというのは否定できないでしょう。

それを踏まえたうえでの、運営方針や、戦略を考えなければなりません。
被雇用者の労働観の変化
最後に大きいのは、働く人の価値観の変化です。ある本で読んだのですが、今は

○仕事をやめることに理由が必要なのではなく、
○仕事を続けることに納得できる理由が必要な時代

と書かれていました。現場でスタッフさんを見ていると、まさに実感しますよ。

さらに、今はもうその変化も収束しつつあって、もっと危機的な問題が起こりつつあります。以前から、店舗業では人材不足が当たり前、という感覚はありましたが、これまでは、それは

優秀な人材が不足

という意味でした。よりお店の売上、また、お客様の満足に貢献してくれる人材はほしい、それが不足している、という意味だったんです。しかし、今現在、(体感的には2002年くらいからですか)は、そうではなく、そもそも応募者の絶対数がかなり不足しています。人員の質じゃなくて、量が足りていないお店が多いんです。これは、ある数のスタッフを雇用することを前提としている店舗運営モデルでは致命的なことです。

1つには、アルバイトを望む人の絶対数が減少していることが原因です。さらに、特にパート・アルバイトの方にとって、今は、一般の店舗というのが、働く場所として、きわめて魅力の少ないものになってしまっているんです。

昔は、コンビニ、ファーストフード、ファミレスというのは、アルバイトの花形的存在でした。時間や日程が選べる、仕事が単純で割合気軽そう、また、同じ世代の仲間が集まりやすい、といった点が魅力だったのでしょう。

それが、今ではもっと高待遇で、店舗ごとの魅力や個性が分かりやすい奇抜な外食産業や、外資系のカフェなどにシフトしています。また、パソコン、ネットワーク関連の業種や、いわゆる水商売なども敷居が低くなって、かなりの割合で人材が流れていると思います。

今、パートさん、アルバイトさんも、職場に求める条件がかなり変わってきています。働く時間をより有意義に使いたい、多少きつくてもできるだけ良い条件の仕事を求める、または、より積極的にスキルや経験を得ようという姿勢が見られると思います。こういう傾向を考えると、既存のチェーン店舗というのは必ずしも職場として最適ではない、とも言えます。本当は、お店というところは、その気になれば学べることは限りなく多いとは思うのですが。
掲示板を付けてみた(^^)
ご訪問してくれたみなさん、毎度どうもありがとうございます。
m(__)m

感想とか質問が書き込みづらいというご意見をいただいたので、調子に乗って掲示板など付けてみたりしました(^^)

掲示板を設置するに当たってのYの抱負。

「レスとご訪問だけは続けるよう頑張りたい・・・」

ブログの更新はしばしば止まるが(--;

では、せっかくだから見てください。-店長力の掲示板-

後で色とか変えると思いますが、ちょっと試運転です。
プロ店長とアマ店長 ~その2~
対談での質問と回答、続きです。当分これでお茶を濁し、更新をサボる・・・(^^;



Q 売れている小売店は店長の「儲ける力」が違うと言います。プロの小売店の経営者や店長さんは、具体的にどのような「手腕」を持っているのでしょうか、ご説明ください。


A 具体的な技術や知識も必要ですが、前提として必要なものと考えると次のようなものがあると思います。抽象的になりますが、お店で働く限り必要な心構えと思います。

□ 組織人としてのスキル
□ 自ら動くマネージャーであること
□ 商売人としての魂
□ フォームができていること
組織人としてのスキル
案外かもしれませんが、私が特に重視しているのは、言ってみればふつうの会社に勤めるような場合と同じような、社会人としての、また、組織人としての基本的な態度です。

昔は、お店というところは、いわば商売人を必要としていました。もちろん、今でもそれは変わりませんが、今は、それと同時に組織人であることを要求されます。

今までは、むしろそういう部分に否定的な人ほど、お店で働きたいと考える傾向があったようにも思います。

「会社勤めが嫌だから、お店でもやりたい」

とか。しかし、今それは通用しないわけです。厳しく言うと、ふつうの企業で通用しない人材が、お店という場所で通用するはずないんです。

これは、特にコンビニエンスストアで顕著ですが、はっきり言って覚えることが以前と比べて格段に多い。しかも、ごく短期間に身に付けることを要求されます。今まで以上に基礎的な実務能力が問われてしまうわけです。

と同時に、お客様に対する姿勢とか、また、他のスタッフさんの指導であるとか、そういった業務のレベルもかなり高いものが要求されます。

これは、私の実感ですが、このような点を考えると、お店でアルバイトとして勤務するために要求されることは、みなさんが考えているよりかなり高度です。これに比べると、むしろ、大学を出て、企業に就職する方がよっぽど楽かもしれません。これは、おそらく別の業種の店舗でも多かれ少なかれいえることだと思います。

ですから、特に店長さんは、組織とはどういうものか、通常社会人として要求される実務的なスキルはどういったものか、という点に注目したらいいと思います。
自ら動くマネージャーであること
ただ、一方でいわゆるマネジメントというものに、おかしな固定観念を持ってしまうことも危険です。たとえば、私は著書の中で「店舗管理者」という名称をあえて使いましたが、管理する人と、現場で作業をこなす人は別だ、というように考えている店長さんは、これまた通用しない。簡単に言うと、スタッフさんの監視や指導が店長の主な仕事だなどというように単純に考えているようだとお店はやっていけない、と言うことです。

まず、今お店というところは、管理だけを専門にやっている人、というのは必要ないんです。それは第一に経営と運営が分化しているからです。そして、運営においてトップである店長さんは、やはりお客様に対して先頭に立っていなければならない。

たとえば、いつ行っても店長さんらしき人が見えないお店があります。たぶん事務所かどこかにはいるんでしょうが、お客様の目に触れる場所に出てこない。お客様と自分の間に、スタッフさんたちを立たせようとしている。それで、「自分は管理者だ」と考えているんです。これではダメです。

それも含めて、プロの店舗管理者にまず必要なことは、常に自分が問題だ、という意識だと思います。お店で起こることは、全部自分に端を発している、という感覚です。自分が動けばスタッフさん、そして、お客様に必ず反映される。そのように仕事を進めないといけない。また、自分が動かなければ、何も良い方向に変化することはない。
商売人としての魂
ただやはり、店長さんにとって一番大切なのは、商売人としての魂のようなものだと思います。これは、普遍的なものだと感じます。今まで述べたように、組織人として、社会人として、という面は重要さを増していますが、魂が抜けたら何にもなりません。

私は、管理者育成をする上で、もちろん技術や考え方は教えて身に付けてもらうことができると考えていますが、この、スピリットと言うか、魂というものも育ててあげることは不可能ではないと考えています。

一概に本人の問題であるとは思いません。むしろ、どういう環境で、どういう指導を受けて育ってきたか、という部分が非常に大きい。もし、若い人たちが店舗業に魅力を感じられなくなっているとしたら、それは彼らを使っている側、彼らに指導している側の責任が大きいと思うのです。
フォームができていること
そして、魂とか、精神論といったものは、仕事をするうえで核となるものだと思いますが、それが動作や行動に表れていなければ何にもなりません。そして、動作や行動というのは、一種の技術です。教えてあげることができます。努力して身に付けることもできます。

もちろん実務的な完成度というのも重要ですが、私がスタッフさんを指導するときに特に気を付けていることは、本人の気持ちが、外から見てわかる動作や行動として、表現できているかどうかということです。そうでなければ指導している意味がありません。

と言っても、精神論を語って聞かせるわけではないです。どう考えるべきかを言って聞かせるのではなく、本人が、自分の気持ちをきちんと表すための動作ディテールや、表現方法を教えるわけです。たとえば

「そういう動作が入ると、お客様はこういうメッセージを受け取る」
「そういう言い方をすると、スタッフさんはこういう誤解をするかもしれない」

とか。そうすれば、本人が商売人としての魂を培って、実際に店長になった暁には、自分の思いや、考えを自然に表現できるようになっている。これが理想的です。
プロ店長とアマ店長 ~その3~
Q 対して、一方でまだまだアマの小売店経営者や店長さんもいると思います。アマ店長がプロとして成長するためには何が必要なのでしょうか。ご説明下さい。

A モノを売る時代は終わりました。これからは、特に販売という行為にどれだけの付加価値を付けられるかが問われるようになっています。そして、多くの場合、小売業においてこういう話をすると、すぐ「接客だ」という話になりがちですが、もうそのような短絡的な考えでは何も生まれない時代になっているようです。マーケティングやパブリシティといった面もありますが、店長として一歩前進するために、私がぜひ一度考えてほしいと思うことは次のようなことです。

□ 全体と個を両立する
□ 現場的な経営の体感を養う
□ 自分の管理タイプを把握する
全体と個を両立する
お客様にも、スタッフさんにも言えることですが、彼らを全体として見るべき時と、そうではなく、一人ひとりの、違った「個」と見るときがあり、管理者は、この両方を理解していなければならないと考えます。

一人ひとりとの、コミュニケーションや、ある時にはぶつかり合い、というのも必要なことですし、個別のケアはチームを形成する上でとても大切なことです。

しかし、ことによっては一人ひとりに引っ張られてはならない事柄もあります。最低限のルールを自覚してもらうこと。これに特例は絶対にないと言うこと。また、お客様の満足は究極の目的であるとは言っても、特定のお客様に対するサービスが、他のお客様にとってマイナスになったりしないよう、配慮すべき場面もあるでしょう。著書でも触れていますが、お客様の期待や要求を満たすことは大切ですが、それは、お客様の言っていることを鵜呑みにして、従えばよいというのとは違います。
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