店長力 > 2006年01月
いらっしゃいませ(^^)
店長の仕事を考える、コンビニ店長の店舗運営マニュアルブログです。
最新記事です。 よく読まれた記事です(8月)

セブンイレブンローソンサークルKサンクスファミリーマートam/pmjobrankingFC2 Blog RankingBiz100.jp
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
プロ意識とは
すでに誰かから指導されることを前提とせず、自立して自分の担当する業務を「任される」レベルの人は、言ってみれば、その範囲においては「プロ」であると言える。だから、自分がもうプロと言える域に達していると考えるなら、人からの指導を受け入れなければならない、という必然性はない。つまり、あえて言えば、自分がプロだと自負しているならば、人の指摘や指導は拒否してもいい。(そういう態度が不利であることに変わりはないが。)

第一、すでにプロとして仕事が提供できる人であれば、そもそも誰かから指導される必要性も筋合いもなく、まさに、自分の持っている価値を提供することで仕事は成り立つのだから、言い方は悪いが、もし、あなたが「良い学習者」という態度を示さなかったとしても、だれも文句は言わないだろうと思う。それどころか、そもそも、周囲の誰も指導してやろうなどとは思わないだろうと思う。

周囲の人は、あなたがプロとして仕事を行っていると思えば、あなたをプロとして扱う。裏を返せば、あなたが、いつも周囲から自分の仕事について指導されたり、注意されたりするのは、

まだ、プロとみなされていないから

だということになる。

こういう言い方をすると、たとえばお店のスタッフさんの中には必ず、

「私は、ただアルバイトしてるだけで、別にお店のプロになりたいわけじゃないですし・・・」

などと言う人がいる。でも、それは、「プロ意識」というものを履き違えている、と私は思う。誰も、別に今お店のプロになれ、とは言っていない。しかし、たとえ、ごく限定された、一部分の作業・業務しか担当していないとしても、自分がやっているその担当範囲について言えば、すべての人はプロ意識を持たなければならないと思う。

たとえば、言い方は悪いが、コンビニの、レジだけやっているアルバイトスタッフであっても、

「私は、たかだかコンビニのレジをやってるだけだから・・・」

という意識でいたら、完全にカン違いしている。その人は、最低限、「レジ」においては「プロ」でなければならない、と思う。つまり

自分がプロとして行える仕事の範囲がごく限られたものである

としても、それは別に問題ではない。問題は、何かしら働いていながら、自分が行うどの業務に関しても

プロ意識がない

ということだ。
スポンサーサイト
あけまして、おめでとうございます。
ご訪問いただいた皆様、あけましておめでとうございます。

と言っても、お店で働いている人は、お正月気分も中途半端になりがちですね。私たち、コンビニなどをやっておりますと、年末年始はたいてい休みが取れません。夜勤で、お店でお年取り、という方も多いかと思います。お疲れ様でございます。

お客様も、常連さんだと、

「良いお年を!」

などと言った後、夜またご来店されて、何となくバツが悪かったり・・・でも、ご近所のお客様が、買い物ついでに年賀状をくれました。(手渡しで・・・^^)素直に嬉しかったです。

というわけで、私も、1月8日過ぎ、アルバイトさんたちがお店に帰ってくるころから、遅めの正月休みを取ろうかな、と楽しみにしながら、もう少しだけ頑張ります。

本年もよろしくお願いいたします。

2006年 元日
万年店長候補
たまに、

「店長になりたい」

などと言いながら、いつまでたっても一販売員以上の責任ある立場を任せてもらえない、「万年店長候補」のような人がいる。

そういう人は、仕事における「プロ意識」というものをカン違いしているか、否定しているのではないか、と自問してみて欲しいと思う。そうすれば、良い指導の受け方がなぜ必要か、ということも自ずと理解できるのではないかという気がする。

いくら長くお店に勤め、たくさんの業務を経験して、覚えても、そのすべてが中途半端で、「一作業」の域を出ていない。そういう仕事振りでは永遠にチャンスはやってこないと思う。そうではなく、ごく限られた範囲でもいいから、プロ意識をもって担当しようという気持ちを持たなければいけない。そういう感覚がないから、「良い学習者」になれない。

何に対しても責任をもてない人になってしまう。その人が放棄した責任は、周囲の誰かが負担し続ける。誰かが管理してくれないと仕事ができない、というレベルから抜け出すことができない。

いわゆる「アルバイト意識」というのは、根本的にはこういう意味だと私は考えている。そして、これは本当は、アルバイトだろうが、正社員だろうが関係ない。また、今やっている業務の範囲にも関係ない。
スタッフさんに言っておくこと
さて、応募者と約束した面接の時間が近付いてきました。準備はいいですか?

「準備っていっても、別にふだんどおりな感じですけど・・・」

と言う店長さん。本当に採用する気あるんですか?それとも、ふだんから申し分のない体制でお店が運営されているから、特に何かしなくても、準備は整っているということでしょうか。それなら、言わずもがなですが。

まず、スタッフさんたちに、よりよく面接が行えるように協力してもらわなければなりません。たとえば、

○既存のスタッフさんに、何時から何時まで面接がある、と伝えましたか

また、

「面接を受けに来たんですけど・・・」

と声をかけられたとき、スタッフさんはどう対応するのが良いのか、あらかじめ指導してありますか。

面接を受ける人は、来店した時に必ず既存のスタッフさんの態度を気にします。それによって、

「ここで、この人たちと一緒に働くかどうか」

を考えます。それによって、

「面接時に、どれくらい本気で話をするか」

ということを一瞬にして判断しているのです。面接に来た人が、どうも今ひとつ真剣でない、と感じられる時には、こういう判断が働いているのかも知れません。

○面接の最中、他の業務や受付対応は任せられますか

面接をしている最中は、それに集中するべきです。途中でお客様の対応に呼び出されたり、スタッフが話しかけてきたり、という場面はできるだけ避けるべきです。また、雑誌などで募集している場合は、面接時期と、応募者の受付対応が重複する場合があります。できれば面接している最中に、それを中断して電話を受けるのは避けたいところです。雰囲気が良くないし、話が止まると相手の集中力が途切れ、採用されたいという気持ちが薄れてゆくことも考えられます。
面接する場所の用意
○店内、店頭、そして、特に面接会場となる事務所の掃除、整理・整頓は

特に、事務所はふだんどうしても「舞台裏」という感覚があるので、おろそかになりがちですが、その場所こそ、お店で働く人の姿勢や本音が丸見えになってしまう場所です。

特に、「見せるべきでないもの」が、気が付かず放置されていませんか。たとえば、スタッフがおいた飲みかけのジュースとか、休憩中に読んでいた漫画雑誌。心得違いをする人は、

「あ、ここは気楽でいい職場だなー」

と考えてしまいます。採用されてから厳しいことを言われても、「最初だけだ」と感じてしまいます。

また、外部的に印象の良くない掲示物やポスターが貼りっぱなしになっていませんか。たとえば、

「遅刻を3回した人は、辞めてもらいます!」とか、
「休みを取る人は、一週間前までに申し出ること」

というような内部連絡もそのひとつです。

貼ってあるということは、徹底されなくて困っている

と発表しているのと同じことです。そういう掲示物は、貼るとしてもごく短期間で徹底し、必要なくなればすぐに処分すべきだし、せめて外部の人が来る時には目に触れないように注意するものです。

○椅子の位置は適切ですか

面接時の空間の確保は、けっこう印象を左右します。比較的手狭なお店では、事務所といっても十分な広さがない場合もあります。また、ふだん作業しているデスクやいすの位置が、面接時にも最適だとは限りません。惰性で自分はいつもの場所に座り、面接に来た人は空いた空間にいすを置かれて、落ち着かないまま面接を始める、というのは安易です。

○タバコ臭くないですか

本当はふだんから問題ではありますが、最低でも、せめて面接が近付いたら、タバコは控えるようにスタッフさんにもお願いしておきましょう。事務所にタバコのにおいが立ち込めているお店だと、吸わない人は働いてくれません。
ピンクのブリーチ
その日、仕事を済ませ帰途に付こうとすると、一本の電話がかかってきた。高い声の男性。

「はい。ありがとうございます。~店、Yと申します」

と、電話に出ると、聞こえてきたのは、何だか屈託のない明るい声。

「店長いる~?」

「はい、私ですけれども・・・」
「あのさー、おたくの店で『毛染め』を買ったんだけど、髪の毛がピンクになっちゃったんだよね~」
「はい・・・」
「これ、どうなってんの~?」
「・・・はい、お客様。髪の毛を染めたら、ピンクになったということですね?」

とりあえず、一瞬理解不能だった私は、相手の言ったとおりに繰り返してみた。

「いや、あの、違うんだよ、とりあえず向かいのマンションに住んでるから来てよ」

今帰ろうとしていたところで、正直「うっ!」と思いながら、仕方なくお客様のご自宅のマンションへ足を運ぶことにした。呼び鈴を押すと中から小柄な若い男性が顔を出す。

一瞬たじろいだのが、お客様にも分かってしまったと思います。確かに髪の毛の色はピンク。それもまぶしいほどのショッキングピンク

私は、なるべく彼の髪の毛に目が行かないように、うつむきがちに挨拶をしました。

「失礼致します。先ほどお電話いただいた・・・」
悲壮な訴え
「先ほどお電話いただいた・・・」

私が、言い終わらないうちにお客様は、

「店長店長!ほら、ピンクでしょ。これを使ったらピンクになっちゃったんだよ」
「は、はい・・・」

彼が手にしていたのはM社のブリーチでした。しかし、パックに印刷された写真の髪は茶色。どうやったらピンクになるんだろう。

「俺もさ~びっくりだよ。これどうなってんの?これじゃ明日仕事に行けないよ~どうしよ・・・」

と困った表情のお客様。別に怒っているわけでもなく、むしろ悲壮な面持ちで「どうしよ~」と繰り返す。とにかくここで話を聞いていても埒が明かない。

「あの~お客様、要するに、このブリーチ剤で脱色したらピンクになった、ということですね?」
「そうだよ~。これじゃー仕事にならないからなんとかしてよ」
「とりあえず、すぐにメーカーと連絡をとってみます。この時間ですとおそらく明日になりますが」
「・・・」
「明日、メーカーと連絡取れ次第、ご連絡さしあげます。お待ちいただけますか?」

ということで、お客様もしぶしぶ納得。とにかく私は、お客様が使用したブリーチ剤を容器ごと回収し、その場を切り上げた。

翌日私は、M社お客様サービス室(確かこんな名称、定かでない)に電話をかけ、状況を説明しました。担当の方も、あまり例がないクレームらしく、不思議そうでした。

しかし、とりあえずお客様がお困りのことなので、美容室に行っていただき、髪の毛の色を直してもらうことに。問題の商品(いや、商品には問題はないのだが、)は、一応成分検査をするので回収に伺うとのこと。

私は、さっそくお客様に電話して、そのように伝えました。

「メーカーからもご連絡が行くと思いますので、お手数ですがよろしくお願いいたします」

とお伝えし、電話を置きました。その時はそれで「済んだ」と私は思っていたのです・・・
直らないピンク
私の中では一件落着だったのです。おそらく製品に問題はなく、お客様の使用法の間違いです。まあ、そうは言っても、美容院代くらい出してあげてもいいだろうな、とにかく、この件はメーカーに任せておけば大丈夫、などと思っていました。ところが・・・

翌日、そのお客様が来店されました。あの時と変わらぬ真っピンクの髪のままで。あれ?と思いましたが、とにかく、とにかく冷静にお客様に声をかけました。

「お客様、先日は大変失礼しました・・・美容院の方へは、まだ・・・?」

「あっ!店長さ~美容院に行ったんだけど、戻らないんだよね~。ほら。これ領収書」

確かに、「○○美容院」と書いてある。

「いや~びっくりだよね~。ピンクだもん」
「この髪じゃ仕事にもならないしさ~。今日休んじゃったよ」

お客様は、あいかわらず怒るわけでもなく、まるで親しい常連さんが世間話をしているような様子で話を続けられた。私も、話を聞かないわけにはいかないので、

「そうですよね~」
「困っちゃいますよね~」

などと適当に話を合わせながら、売り場で立ち話をする結果になってしまった。ふだんは、いくら親しいお客様でも売り場で長話するようなことは避けたいところですが、私は、相手の意図がつかみかねて、結局30分近くもずるずると話を合わせているしかありませんでした。

ところが、彼は次の日もやって来た。変わらぬ真っピンクの髪のまま・・・

結局、ほとんど毎日お店にやって来ては、同じ話を何度も聞かされた。仕方がないので、彼が来ると仕事を中断して事務所でティータイム。ふだんは取らない休憩が日課となってしまった私。

そんな事が2週間くらい続いて、もうウンザリしていた頃、M社より連絡が入った。

「店長。結論から申し上げると、成分分析とサンプリング検査によって、あの商品は問題ないという結果でした」
「・・・(まあ、そりゃそうだろ・・・)」
「ところがですね~・・・実は、あの方、俗に言う『クレーマー』らしいんですよ・・・」
クレーマー
「え?そうなんですか?」
「はい、S社でも、同じようなクレームがありまして、最終的には金銭目的のようです。店舗さんのほうでも注意してください」

なんと!やっぱり、そうだったのか、と私は思いました。いや、私もおかしいなあ、と不審には思っていたのですが、正直って、こんなタイプのクレーマーに出会ったのは初めてだったので、半信半疑だったのです。なぜと言って、あまりにも回りくどい・・・

とにかく、検査結果が出たところで、M社から直接会って解決するとのことでしたので、私は、やっと解放される・・・と安心していたのです。

ところが、そう簡単には済みませんでした。それどころか、お客様はM社の方と面談して後、人が変わったかのように強く責めてきたのです。いろいろ罵声を浴びせられましたが、要するに、

「お前の店で買ったんだぞ!販売した責任もあるだろ!」

ということです。言い方を変えれば

「M社から金が取れないから、お店から出せ!」

という意味ですね。

前のS社とのトラブルも解決するまでに3ヶ月かかった、と聞いていました。金銭を授受する気はまったくなかったのですが、今のように毎日来られると確かに、こっちが仕事にならない。彼が特に要求じみたことも言わず、毎日やって来ては私の時間をつぶすのも、それを意図してたんですね。それにしても、面倒くさいことするな~。

とにかく、お店としてはまったく過失もなく、いくら言われても対応できないと説明しましたが、いつまでたっても引かないので、とりあえずチェーン本部と交渉してみるから、ということでその日はお引取り願いました。

しかし、本音を言えば、こんな案件は本部に通したところで長引くだけです。翌日、短期決戦に持ち込みたかった私は、彼が来店するとすぐに、

「営業妨害で警察呼ぶよ」

と、少しドスをきかせて睨みつけました。彼は何も言わずお店を出て行き、以来あのピンクの髪を見ることはなくなりました。

クレーマーにはいくつかタイプがあります。彼の場合は「駆け引きを好むタイプ」です。ある意味とても粘り強く、遠回りな策を好むので、それに合わせて話を聞いていても解決しません。ある時点で直球勝負することも必要です。(終)
仕事とは、人の役に立つこと
スタッフさんには、まず、「本当に期待されていることは何か」という視点を持って欲しいと思う。まず、少なくとも、販売業という仕事では、

「お客様が何を期待しているか」

ということを読む力は必須である。

また、本来、店長さんの傾向、お店の方針、お客様の期待、これらは一貫性を持っているべきだが、どんな優秀な店長さんでも、時にそれが適わない場面もないとは言えない。むしろ、どんな一流のお店でも内部的にはいつも多くの問題が発生している中で、自ら課した規準に沿って日々営業されているのである。問題点というのは、あるのが当たり前なのである。

他人に完全性を求めてはいけない

周囲のさまざまな関係者の立場に立って、違った角度からお店を眺めてみる。そういう視点を持つことでより貢献できるし、「実際に、どのようにお客様の期待は具現化されるのか」という流れや、しくみを知ることができる。

では、もし、お店にいる仲間や、上司である店長など目上の人と考えていることがどうも一致しない、と感じたときなどはどうしたらいいだろう。

この時、あなたがすべきことは、自分の考えが正しいからといって、単に一般論をぶつけることではない。そうではなく、お店や、店長さんの置かれている現状を知り、自分は何を求められているか、もっと言えば、その状況の中で、

「自分が何の役に立てるか」

ということを考えることが本当は必要なのではないか。それは、結果的には、お客様にとっても、最も意味のあるやり方だと思う。少なくとも私の店では、フィードバックを積極的に行うスタッフには一定の評価を与えるが、他人事のように論評だけするスタッフをそれ以上に評価することはない。

ただ、なぜかお店によっては、むしろ、そういうスタッフさんを重宝がっている場合もある。お店のことを真剣に考えてくれている、などと感情移入して、一緒になって自分のお店を評論している店長さんがけっこういる。それが誤解だということを分かってもらうには相当骨が折れる。

問題があることを批判したり、論評したりするのは、実は非常に簡単なことである。それができるからと言って、それだけでは別に賞賛に値することではない。
今貢献できること
しばしば、自分の観点が、周囲の人と食い違っていることがある。そういう時、単に自分の主張を強く主張することに終始していては、結果的には、現状は何ら改善されないだろう。

たとえば、

「お客様のことを考えて、店長さんに意見する」

ことがあるだろう。ただし、そのことが、結果的にお客様の役に立つかどうか、を考える。どうせ意見するなら、そこまで考えて意見するべきだ。

むしろ、より店長の負担を増やし、その結果、よりお客様に迷惑がかかるかもしれない。また、現状優先すべき問題が、あなたが横槍を入れたせいで中断されてしまうかも知れない。

時々見かけるが、

「私の言っていることは正しい、後はおまえが何とかしろ、おまえの店だろ」

というような言い方をする人がいる。まあ、直接は言わなくても、そういうニュアンスで持論を語っているスタッフを時々見かける。だが、その発言は結果的にお客様の役に立つかどうか疑問である。本来なら、

「私の言ってることは正しい。だから、私に任せてみてください。必ず何とかします

と言うべきだと思わないだろうか。当事者意識がないと、提案も受け入れられない。そして、受け入れられないことをまた批判する。そういう思考回路になっていると、実質的に「役に立たない」だけでなく、迷惑である。
お店の仕事、自分の仕事
すべての仕事には、提供すべき規準がある。お店に存在する一人ひとりのスタッフさんが担う役割も、それと一致して、全体としての規準を満たすように遂行されなければならない。お店の仕事と、自分の役割の整合性。

それが、そのスタッフさん本人にとっての、第一の仕事の規準になる。

もちろん、正しい作業手順を覚えなければならないし、身につけ、できなければならない。

こういった内容は、お店ではたいていマニュアルが設置されていると思う。その場合、つまり第一義的には

マニュアルどおり行うこと

が、規準を満たす作業手順だということになる。実は、多くの人にとって、マニュアルどおりに行うということ自体がけっこうなハードルであることに注意しなければならないと思う。

また、たとえば

○調子が悪いとできない
○誰かが見ててくれないとできない
○例外的なことが起こるとできない


といった問題が必ず生ずる。これらが解決できないうちは、「できる」ということにはならない。このことから考えて、例えごく簡単な作業や、お客様の対応であっても、できるためには相応の心構えや、自己管理や、判断力といったものが必要なことがわかる。

「できる」というのは、

○いつもできる
○一人でできる
○どんな状況でもできる


という意味だと考えなければならない。
良い対応、悪い対応
分かりやすく言うと、たとえば

「店長がいなくても、お店の提供すべき仕事の規準を満たせるか」

と自問してみる。いろいろな言い方があるかと思うが、たとえば、あなたが働いているお店は、

「店長さんが数日不在でも何ら問題ない」

と言えるかどうか。もちろん、事実不在がちであることと、問題がないということは意味が違う。つまり、

「お店で起こるすべてのことに、あなた自身が対応できるかどうか

と言うことが、あなたの仕事振りの一番端的な目安になる。

ところで、今のように「対応できるか」と聞くと、「できるわけがない」と言う人がいる。では、それはなぜか、と聞くと、たいてい同じような答えが返ってくると思う。

しかし、

○自分には権限がない
○自分には十分な知識や技術がない
○自分では判断できない


というようなことを理由に、「対応できない」と思っているとしたら誤解だ。それは、「対応」という意味をよく理解していないからだと思う。

対応とは、お客様の望んでいることが、必ずしもその場でできるということを指すのではない。つまり、この場合で言えば、店長さんと同じレベルでオペレーションを提供しろ、という意味ではない。たとえば、

○お客様の言っていることをよく聞き、確実に承った旨を伝え、安心させること
○判断できる人に確実に伝達すること
○お客様をお待たせする間、お客様の様子を気遣うこと
○実際に自分が行わないとしても、最初に声をかけられた自分が、担当者として最後まで付き添うこと


こういった点をきちんとこなせれば、「対応はできている」と言える。

対応という意味がよく分かっていない人は、たとえば、自分がその場でできないことがあると、店長を呼びに行って、対応自体を任せたきり、自分はもう関係ないという態度になる。それで自分の役目はもう終わったと思っている。こういった面での不足こそ、まさに「対応できていない」ということなのだ。

今言っていることには、

○権限
○知識の量
○判断力

の差は基本的に無関係だ。それを踏まえて、自分が、お店で何をすればいいのかをもう一度考えてみたら良い。
調査フォーマット
ストアコンパリゾンを実施する時には、あらかじめ、

「そのお店のどこを見るか」

ということを決めておきましょう。そして、この項目の選択については、後に状況にあわせて変更することもできますが、その都度変えるのではなく、同じ項目を使って何度も調査することを前提に決めます。

ですから、自分が一番関心ある点、問題意識を持っている点を特定しておいたほうが有効です。ただし、最初からあまりこだわらなくていいと思います。続けることのほうが大切ですので、書式はごく簡単なものでけっこうです。また、項目は、自分が覚えられる程度の数にします。

例を挙げておきます。


店名

入店時間:
退店時間:

調査項目:

Q1 店内で一番目立つ、力を入れていると思われる商品はどれか
1点:

Q2 通常の買い物時間中に、存在が確認できるスタッフは何名いるか
男性:
女性:
うち責任者らしき人:

Q3 自分の買ったもの。なぜ、それを買うことになったのだろうか。
商品:
理由:

Q4 特定のお客様の行動、動きなどで気付いた点は
お客様の特徴:
気付いた点:

Q5 その他、自分が関心を持った点は

販売するシステム
自分自身の仕事に問題がない、というところまで行ったら、次に、

全体にどう貢献できるか

を考える。ところで、「お店」と言うと、まず、たいていの人は「建物」をイメージする。また、「看板」を思い浮かべるだろう。そして、商品があり、設備があり、従業員がいる場所とイメージする。

しかし、実はお店がお店である所以は、それが、販売という取引を繰り返すための「システム」であるという点にある。

システムというのは、

(1)必要な各要素が組み合わされ
(2)特定の目的を果たすような
(3)全体のまとまり

のことである。つまり、簡単に言えば「しくみ」ということである。

たとえば、「会社組織」といった人為的、人工的な仕組みも「システム」と呼ぶことができるし、もっと自然発生的なものや、有機的なものも「システム」とみなすことができる。たとえば、人の体や、地球全体もひとつのシステムとみなすこともできる。

同じように、

お店というのは、すべてのお客様に対して、ひとつのシステムなのである。

だから、お客様からすれば、実際にはあなたが担当し、あなたと信頼関係を築いているとしても、あくまで、お店からサービスを受けているのであって、あなたから受けているのではない。

あなたとしても、もし、お客様があなたの対応を喜んでくれたとしても、あなたという個人が評価されているのではなく

お店というシステムに属するあなた

が評価されているということである。

この、「システム」という視点は、お店で働くときに非常に重要な視点だ。お店で働くとき、たとえば、「自分の接遇態度をより向上しよう」とするのはもちろん大切だが、もし、そういった個人的なレベルで向上を目指すだけだったら、それは十分であるとは言えないのだ。

同時に、あなたが属しているシステム全体が提供するサービスなりオペレーション、つまりその規準を向上させることこそ、より重要な点として取り組まなければならないわけだ。
お店の成立要件
では、お店というシステムを成立させている

(1)必要な各要素が組み合わされ
(2)特定の目的を果たすような
(3)全体のまとまり

とは、具体的に何によって決まっているのだろうか。それを詳しく考えて欲しい。まず、

(1)必要な各要素

とは、いったいなんだろう。たとえば、企業などで言われる3大資源、「ヒト・モノ・カネ」といったものが想起されるかもしれない。これにノウハウや情報という要素を加えて考えることもある。これに倣って、お店を成立させている要素を挙げてみると、たとえば

「ヒト」と言っても、その立場や関わりは様々だ。

1 オーナー、店長
2 社員
3 パート、アルバイト
4 納品業者
5 賃貸主

などがある。また、お店というシステムを成立させている「ヒト」には、実は

6 お客様

も含まれるという考えもできる。誰かが利用してくれないと、販売という取引は成り立たないからだ。さらに、

7 メーカー
8 地域住民
9 公共機関

など、自分の視野によっていくらでも幅広く捉えることが可能だ。


「モノ」

言うまでもなく

1 商品

は思いつくだろう。それ以外に必要な「モノ」を考えて欲しい。設備、備品、試供品、販促物、また、そういった「動産」以外にも

2 物件
3 土地・敷地

などの不動産も「モノ」に含まれるだろう。

これらは、今、どう考えなさい、ということではなく、実際に現場で仕事する中で常に考えて欲しい。
「カネ」の種類
「カネ」

一口にカネと言えば、すべて一緒くたに感じるかもしれないが、カネと言うのも用途によってさまざまに区別されるもので、逆にこの区別が感覚的にできないと経営は難しい。

お店では現実にお金というものを扱うのだから、少なくとも以下のことだけ最初に押さえておくべきだろうと思う。

まず、大前提としてごく大ざっぱに言うと、カネは「移動するカネ」「置いておくカネ」に分けられると言える。ごく身近な例で言えば、お店のレジの中に入っている現金は見た目には区別はないが、

○売上金
○両替準備金


の2種類が同時に存在していると考えなければならない。両替準備金というのは、常に一定の金額がそこに存在しなければならず、それが過不足を生じるのは異常なことだ。

また、お店での商品在高、つまり在庫金額というのも、ある程度一定してコントロール下になければならない。極端に言うと、お店を運営しているうちに、知らないうちに在庫金額が膨張したり、逆に、棚不足が増加していることに気が付かなかったり、というのは危険だ。

私が最初の段階で大切だと思うのは、こういう区別が感覚的にできるかどうか、ということだ。こういう感覚が、より全般的な運転資金や予備資金、借入や設備投資というような問題にもつながってくる。多くの人が、実際にお店をやるときに「置いておくカネ」についてあまり深く考えないために危機に陥る。

次に、いわゆる「経費」というものは、

1 イニシャル・コスト
2 ランニング・コスト


の2つがある。この区別も重要で、経営上の判断は、たいていこのどちらを優先するか、というような兼ね合い問題として現れることが多い。

難しい会計的な話は今のところ踏み込まないとしても、こういった基本だけでも意識しておくほうがいい。
システムの目的と機能
先に言ったように、システムとして成り立つには、各要素がバラバラに集積しているだけではいけない。

(2)特定の目的を果たすような
(3)全体のまとまり

である必要がある。

そこで、仕事においては、まずは「特定の目的=規準」ということになるだろう。ただしこれはごく狭い意味での目的であり、それがすべてではない。

ところで、お店というシステムにおいて、そこで働く一人ひとりのスタッフの「動機」というのは、果たそうとする目的とは直接的には無関係であるということを確認して欲しい。

仕事の目的、または役割、責任といったものは、あなた自身の動機とは別個に存在し、あなたはいわば、それをお店から預かっているのであって、仕事に就くと「おまけ」のように付いてくるものではないのである。

ところが、もちろん、どういう気持ちで働くかは、その人がシステムの中でどういった役割を、どの程度果たすかということについて重大な関係がある。

今度はシステムを全体としてまとめるために必要なものを考えた時には、そこで働く人の気持ちというものは大きな意味を持つ。つまり、あえて言葉を区別するとすれば、人の動機や感情といったものは、システムの「要素」というよりも、システムを「機能」させるものだと言える。

このように、お店での仕事を「機能」させるために必要なものとしては、たとえば、

1 意欲
2 マナー
3 常識
4 良心


といったものの他、

5 契約
6 ルール
7 マニュアル
8 評価


といったツール的なものもある。また、

9 知識
10 経験
11 技術


なども挙げられるだろう。これらはすべてお店というシステムを「機能」させるために働くものである。

以上のように、お店というものは

人、モノ、カネといった要素が組み合わされ、さらに、それを機能させるためのさまざまなツールや人的パワーが伴って、特定の規準を満たすように販売行為を繰り返すシステムである。

お店は、ただのハコではない。
店長の仕事、ではない
外から見ていると、意外にはっきり分かるものだが、

店長さん一人でがんばっている店

が多い。もちろん、お店は直接的には、まさに店長さんのお店なのだから、店長さんが一番がんばっているのは当たり前で、もし、そうでないなら、あなたがそのお店で働く意味は薄い。

しかし、現場のスタッフさんが、それぞれの役割をはっきり認識していなかったり、役割を果たそうという意欲が薄かったりすると、店長だけに負担が集中してしまうことになる。

負担が集中するということは、その人が本来一番力を入れなければならない部分に集中できないという結果を招く。

「それは、店長の仕事だから・・・」

と何でも押し付けていると、結果的に、店長さんは

店長の仕事ができない

ということになる。押し付けておいて、批判や評論だけするのなら、誰でもできる。それは、チームとしてあるべき姿だろうか。

もちろん、お店が繁盛するかどうかは、第一に店長の人格的信頼や、キャラクターというものが大きい。それに、チームとは言え、主に店長さんしか判断できないこと、権限のないことも多いだろう。それを軽視するつもりは毛頭ない。ただし、本来、お店にとって一番重要である店長さんの貴重なパワーは、「規準の維持」ではなく「課題の発見と解決」に振り向けられなければならない。

現状のシステムを維持することで、店長さんの力が使い果たされていると、お店は衰退する。

前に言ったように、お店は、「販売を繰り返すシステム」である。そこで働く人は、どういう地位や役割を与えられていても、全体として「チーム」でなければならない。

お店はシステムであり、お店で働くスタッフはチームである

この観点で、チームの一員として自分の立場を理解しないと、お店は向上しないし、本来期待される仕事は提供しにくい。そして、よくカン違いされていることかと思うが、これは

「できたらすごい」

というような、一部の人が行う付加的な事柄ではなくて、お店で働く限りすべての人に求められる

「必要なこと」

であると私は思う。
店内では記入しない
この場合の調査方法は「非公開調査」つまり、お店に何の断りもなく、勝手に調査するわけですから、そのお店の迷惑になるような行動は厳に慎まなければなりません。

また、店内で、調査表を持ち歩いたり、記入したりしないで下さい。それでなくても、競合店調査のための入店はかなり目立つものです。ですから、項目を頭に入れて、店内では記憶するようにしてください。そのお店から出たら、すぐに記入します。

原則、スタッフさんにお店の内部のことを質問したり、購買に関係ない話をするのも、たいてい良い結果にはなりませんので、控えてください。

もし、ヒアリング等を望む場合は、原則として、お店の代表者を通して正式な申し入れをしなければなりません。自分のお店のことを考えれば分かると思いますが、代表者であるあなたを通さずに、お店のスタッフさんが外部の人と、業務と無関係な会話をしたり、お店の情報を提供したりするのはいけません。失礼ですし、そのスタッフさんを困らせます。大きな問題に発展する危険性もあります。ゼロ・ベース・ストアコンパリゾンでは、

一お客として振舞う

というのが鉄則です。

最後に、自店にとって有効な、ある具体的な点が特定できたとしましょう。そうしたら、それを自分のお店に当てはめて、本日只今から改善作業に入ってください。店舗観察と改善作業は常にセットで行うものと考えましょう。

以上のようなことを繰り返し、具体的な改善とともに、ストアコンパリゾンそのもののスキルを蓄積することが大きな狙いです。最初は、うまくいかなかったり、効果に疑問を感じたりするかもしれませんが、この段階を端折って一気に大がかりな改善計画を立てても頓挫する危険性が大きいのです。



まとめ:ゼロ・ベース・ストアコンパリゾン

目的:
自店の具体的な改善項目の発見・特定と、速やかな改善

対象:
調査者自身が継続して利用している店舗
※同業種、業態である必要はない

調査方法:
定期的利用
※顧客ベースの視点

方法:
1 調査者自身による利用
2 利用者からの意見収集
※家族などが望ましい
※従業員に依頼するのは不向き
3 具体的な点に着目する
※調査フォーマットの統一
※経験主義の排除
戦略としてのストアコンパリゾン
さて、ゼロ・ベース・ストアコンパリゾンを繰り返すことで、あなたの「店舗観察眼」は相当に養われているはずです。次に、もう少し体系的な、戦略的な調査方法を試してみます。

ところで、ここで言う「マクロ」というのは、「巨視的」ということです。つまり、「大枠からものを見る」というような意味だと考えてください。マクロ・ストアコンパリゾンとは、市場とか、その地域、商圏全体を概観し、その視点から、お店の価値を判断してゆくような方法論です。

たとえば、今、あなたのお店が立っているところ、立地です。あなたのお店は、なぜ、そこにあるのでしょう。理想的に言えば、それは、

お客様に望まれているから

です。地域の住民、または、もっと広い範囲の人々の経済生活がある。需要があり、購買行動が発生する。発生するというより、望んでいる。だから、お店を立てるわけです。お店は、取り巻く環境や、経済全体の循環と切り離しては語れないわけです。

こういう視点からすると、単に、どこかのお店に出かけて行って、「売り場がどう、スタッフがどう」というところだけを調査するだけでは、「単発的な対策・改善機会」は得られても、調査しているそのお店の全貌というか、巨視的な把握はできないことになります。つまり、今までお話してきた、ゼロ・ベース・ストアコンパリゾンとは、本当の意味で競合店を理解することにはなりにくく、また、今後、実際に「競合対策」を戦略として行おうとする場合には、きわめて不十分な方法と言わざるを得ません。

ただし、先に言ったとおり、せっかく競合に目を向ける機会があっても、自分に店舗観察の経験値がないと、単なる「店舗見物」に終わってしまうことが多いのです。それが、

「ストア・コンパリゾンは効果がない」

というイメージを生み出すことにもなっているのだと思います。多くの失敗の原因はそこにあると私は思います。つまり問題は、初めからいきなりマクロ・ストアコンパリゾンを取り入れようとすることで、そこに無理があるのです。ですから、順番としては、まず相当期間ゼロ・ベース・ストアコンパリゾンを実施して、調査方法やフォーマットを何度か検証し、その上でマクロ・ストアコンパリゾンへ移行する、というのが効果的です。法人などで全社的に行う場合などは特にこういう手順が望ましいかと思います。
自分に関係ない?
「店長とか、お店の事情なんて、知ったことか」

と思ったかもしれない。実際に、アルバイトしている人からすれば、むしろごく当然にそう思うかもしれない。しかし、私が思うに、仕事というのは、そういうものではない。少なくともそれは、誰の得にもならない考え方だと私は思う。本人にとっても。

ただ、そうは言っても、単にお小遣い欲しさに安易にバイトしているというのが本音で、それ以上何も望まない人、また、仕事以外でもっと優先度の高い「やるべきこと」があって、今やっているお店での仕事に時間や気持ちを割いていられないのだ、というふうに思っている人というのは少なからず存在する。

とすれば、そのような本人の目的や、方向性を他人が少し話したくらいで変えさせることはほとんど無理な話であると思う。

ただ、前にも言ったように、規準なんぞどうでもいい、と考えていられるのは、そもそも自分の動機が、自分にとってどうでもいい程度のものだからだ。私は、動機そのものを非難しているのではない。つまり、問題は動機の種類ではなく、動機の強さのほうにある。

あなたが働く理由、目的は

「ちょっと小遣いが欲しい」

でも何でも、別に良いのだ。ただ、

「多少の犠牲を払ってでも、どうしても小遣いが欲しい」のか、
「どうでもいいが、まあ貰えるものなら貰いたい」

という程度に「欲しい」と言っているのか、そのことこそ大きな問題だと言っているのである。

そして、動機の強さはイコール規準を満たす意欲に結び付く。それが仕事というものなのだ。もし、仕事の規準を満たす努力は放棄するが、「小遣いだけは欲しい」という気持ちは誰にも負けないくらい強い、と言い張るとすれば、その人は少し狂っていると思う。

実際、ニートの人だっているんだから、「意欲」が出ないというのもそれはそれで仕方ない。(ここでは、積極的ニートという意味で言っている。)しかし、私が思うにニートと呼ばれている人たちは、ある意味で正直である。自分の動機の弱さを認めているからだ。

それよりも、意欲がないのに、それなりにあるふりをして、変な理屈をつけながら仕事からリターンだけを得ようとするのは、極端に言えば一番「詐欺的」であると思う。

仕事の規準を満たすつもりがなくて、それでも雇われ続けているのはどこかにウソがある。
お祭りのテキ屋
少し脱線しますが、考えてみてください。

地域のお祭りの楽しみは何でしょう。お神輿や、民謡流しもありますが、むしろメインはと言えば、「やきそば」「りんご飴」「金魚すくい」「射的」です。

いつもだったら別に食べたいとも何とも思わないかもしれないのに、その場に行くとなぜか無性に惹かれます。

どのお店も人だかりができていて、飛ぶように売れていきます。

でも、もし一軒の屋台さんが、駅前でいきなり「りんご飴」を売って、はたして何本売れるか。場所は、これ以上ないという「駅前好立地」です。でも、ほとんど期待できない気がします。

ところで、これは、「お祭りだから売れる」と思いがちですが、そうとも言えない気もします。

たとえば、さっきの「りんご飴」屋さんが、自分のテキ屋仲間をたくさん連れてきて、その場所にどんどん屋台を出店させたとします。すると、別に今日お祭りでもなんでもないのに、「なんとなくお祭りみたいな」雰囲気になります。つまり、商売として考えるなら、実は

お祭りがあるということが重要なのではない

という考えもできるわけです。むしろ「お店が集まっている」ということのほうが重要なのだ、と考えられます。言い方を変えれば、特に子供さんなどは、逆に屋台がたくさん出ているということを「お祭り」だと認識しているとも言えます。

小売店舗などを中心に、商業施設がある地域に集まっているものを一般に「商業集積」と呼びます。ごく現場的な、小規模の集積にしろ、もっと大きな、たとえばひとつの都市や商業地帯全体にしろ、集まっていることは、それだけで吸引力、集客力があるという面があります。
渋谷行かない?
高校生が、休み時間に話しています。

「ねえねえ、今日学校終わったらどうする?」

と、遊ぶ予定をみんなで立てているとします。すると、たとえば

「カラオケ行かない?」

という選択肢が考えられます。これは、「何をして遊ぶか」ということです。しかし、そういう決め方ではなくて、しばしばありうるのが、

「渋谷に行かない?」

という選択肢です。これだと、「何をするのか」は、直接決定されていません。実際することは、やはり「カラオケ」なのかもしれません。または、「買い物」というのも有力です。しかし、「買い物」と言っても結局、ただブラブラ見て回って帰る、ということもありえます。

そこで、この時の「渋谷」というのは、ニュアンスとしては「渋谷」という地区を指していると言うよりも、本当は、「渋谷に存在する無数のお店」のことを指しています。また、厳密に言えば、渋谷という街の景色や、お店とお店を移動する際の道路とか、そこですれ違う人とか、そういったもの全体を漠然と含めたイメージを指しています。

前の例で、テキ屋の集積=お祭り、と認識するのと同じように、

「渋谷行かない?」

という高校生たちの頭には、いわば「商業集積」としての「シブヤ」というブランドイメージがインプットされているわけです。
競合と集積
ということは、単純に

「周囲に競合店がないほうがいい」

という考えは成り立たないと考えられます。

もちろん、商業集積はふつう、それぞれ売り物の違うお店が混在して、あまり直接的に競合しない程度の「すみ分け」がごく自然に行われます。まったく同じ物を売っているお店が隣同士に出店したら、売上の分散のほうが大きいと考えられます。

ただし、それは各店ごとに見れば分散しているということで、その2店舗の合計売上は、2店分の規模を持つ1店舗がそこにあった場合よりは大きいかも知れません。このように、「競合による売上の分散」「集積による売上増加」は、同時に起こり、そのバランスが問題だということになります。

コンビニ業界でも、もう「飽和状態である」というのが常識になりつつあります。そこで、各チェーン政策としては、もちろん

1 既存店の底上げ
2 スクラップ・アンド・ビルド(不採算店を閉鎖し、新店舗を立てる)

といった方法が中心になると思います。しかし、もうひとつ、最近よく見られるのが

3 積極的競合

と言えるような出店方法です。つまり、みなさんも地域でよく感じることだと思うのですが、すでにあるチェーンのコンビニが立っている場所に、他チェーンのコンビニが出店してくる、ということです。他にも、ファーストフード、とか、ドラッグストア、靴などのアパレルにおいても見られる傾向です。

ふつうに考えると、

「何も、わざわざそこに出さなくても・・・」

と思いませんか?住民の立場で見ると、

「それだったら、もうちょっとこっち(たとえば、自宅に近いところなど。)にお店を作ってくれたら便利なのに・・・」

と感じることがあるでしょう。わざと挑戦してるとしか思えないような、けんか腰な出店というイメージがあります。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。