店長力 > 2005年12月
いらっしゃいませ(^^)
店長の仕事を考える、コンビニ店長の店舗運営マニュアルブログです。
最新記事です。 よく読まれた記事です(8月)

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媒体選び
雑誌、チラシ、インターネット。あなたが興味を引いた記事は見つかりましたか?これなら、応募するかもしれないな、と感じる掲載記事です。

そうしたら、その記事が載っていた「媒体」は何ですか?記事そのものではなく、今問題なのは、その媒体です。つまり、雑誌名・サイト名です。単純に言えば、「その、あなたが辿りついた」過程とまったく同じようにして、応募者の方は、仕事を見つけるのだと仮定できますね。

だったら、その媒体に募集を出すのが最も合理的ということになるわけです。

はっきり言って、代理店の方が勧めるからとか、知名度が高いからとか言うのは、あまり当てになりません。まあ、結果的に大手のメガ媒体に行き着く確率は高いですが、それも、知名度がどう、とか言うよりも

実際にそうやって探し当てる可能性が高いから

だと考えた方が妥当です。とにかく、こうやってある程度的を絞ることができますね。
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お店の仕事 8つの心構え
STEP1

「お店の仕事 8つの心構え」

対象:新規採用者~一般販売スタッフ向け
趣旨:はじめに

1 仕事に求められるのは、「目的の達成」そのもの
1-1 あなたが仕事をする理由は何ですか
1-2 お店が存在する、そもそもの理由は何か
1-3 「やる気がある」とはどういうことか
1-4 お店という孤島

2 指導の受け方を知ること
2-1 指導される立場を自覚する
2-2 上手な叱られ方
2-3 自分で考える、ということ

3 あなたに期待されていることは何か
3-1 自分の役割を果たすことが第一
3-2 お店というシステム
3-3 チームに貢献する
3-4 チームを引っ張る
3-5 規準を向上する

4 マニュアルの必要性と弊害
4-1 マニュアルに対するスタンス
4-2 マニュアル作成・運用のポイント
4-3 ルールは、ツールである
4-4 マニュアルを作ってみよう

5 「結果を出す」仕事、「見せる」仕事
5-1 仕事は結果がすべてと言うけれど
5-2 お店の仕事の「見せ方」
5-3 仕事の質を高める

6 お客様とは、いったい何者なのか
6-1 規準の根底に「期待」がある
6-2 お客様に対する意識
6-3 姿勢を整える

7 やってはいけいないこと
7-1 やってはいけない、の意味
7-2 遅刻・欠勤・シフト変更
7-3 目的・意欲・変化
7-4 不正行為を働いてはならない

8 対価・評価の考え方
8-1 対価について考えよう
8-2 正しい自己評価のために
8-3 評価について話すとき
8-4 あなたを評価するのは誰か
働く理由
たとえば、あるお店に電話をかけ、

「そちらで働きたいと思っているのですが・・・」

と言う。その時点で、自分が働く理由を明確に説明できるという人は、まずほとんどいない。

いや、それは別にごくふつうのことだ。働く理由など、学校でも詳しく教えてはくれないし、そもそも実際働いている人たちだって、みんなきちんと説明できるというわけではない。

それに、説明するとすれば、

○ 素直に自分が思っている理由、ではなく
○ 採用されやすい理由

を言わなきゃいけないとか、いろいろな「邪念」が頭に浮かんでくる。

だから、別に責めているわけではないのだが、ただ、今からでも少しずつ自分なりに「自分が働く理由や目的」をはっきりさせていこう、という気持ちを持った方がいい。なぜなら、それは

(1)自分の気持ちに従って、納得行く選択をするため

だ。しかし、実は自分の気持ちというのは、案外とらえどころがないものだ。しかも常に変化するし。だから、

(2)継続的に考えていないと、自分の気持ちというものはつかめないから

でもある。そして、そうやって、いつも考えていることが、

(3)日々作業をしたり、指導を受けたりする際の「意欲」に関わるから
(4)結果的に、あなた自身の成長のスピード、到達点の高さに関わるから

ということにもなると思う。

ところで、

「なぜ働くのか」

と聞けば、おそらくほとんどの人が、とりあえず

「お金のため」

と答えるに違いない。最も単純に表現すれば、「労働=対価」ということになる。実際、多くの人はごく初期にはそのように極めて単純な図式を信じて働く。むしろ素直。しかし、一方で、

「では、お金のためだけに働くのですか」

と聞くと、多くの人は

「いや、そうではない」

と答えると思う。たとえば

「いろいろ経験したい」
「夢を実現したい」
「好きな仕事に就きたい」
「自分の力を試したい」
「人の役に立ちたい」

など。これらは、建前とも言えるが、かといって、まったく嘘でもない、曖昧だけど何となく感じている気持ち。

ただし、何となく、「そうあるべきだ」と思い込んでいる場合もあるかもしれない。だから、今頭に浮かんだことが、必ずしも本人の真意でない場合もあるので注意しなければならないと思う。周囲の環境や社会的な風潮から、「このような労働観を持たなければならない」といつの間にか思い込まされている場合も多い。それが、報われないストレスを生む危険性もある。

だから、むしろ大切なのは、

○ 今すぐに働く理由や目的を決定すること、ではなくて、
○ 働く理由について、継続的に考える習慣を付ける

ということだ。

日々お店で働いていると、知らないうちに意識が埋没してしまい、仕事全体が機械的な繰り返しになってしまうことがある。また、スタッフとしてお店で働くということは、たとえばお店全体の方針とか店長さんの傾向、一方でお客様の意向や期待といった錯綜するプレッシャーの中に置かれるということでもある。

そういう状況で、いつも「働く理由」について考え続けることは、実はなかなか容易ではない。

しかし、実際には、労働を通して、また、労働に付随する形で人それぞれさまざまな欲求や願望を抱えている。本人にとってもそれは捉えがたく、整理のつかないものであることが多い。そして、たいていの人は、むしろ現実に働きながら、それらを発見しようとする。

同時に、たとえば同じ職場で働く周囲の仲間も、店長さんや、指導する立場の人だって、それぞれに似たような思いを抱えており、これもまた明確になっていない場合が多い。たとえ、明確になっているとしても、それが周囲にいる他の人と必ずしも一致しない場合がある。このことを自覚するのはさらに難しい。

お互いに動機が不明確、不一致なまま日常の連携がなされ、指導・育成が行われる。ここに、指導上の、また、本人の成長にとってさまざまな障害が起こるひとつの大きな原因がある。
仕事の目的とは
目的という言葉は、かなり意味の広い言葉だ。だから、漫然と考えてもどうしてもその時の状況に依存的になったり、時間とともに考え方が堂々巡りしてしまったりする。

まず、「あなたが仕事をする目的」と言う場合の「目的」とは、つまり「動機」のことを言っている。そして、動機というのは、

(1)WILL:したいこと
(2)MUST:しなければならないこと

に分類できる。ただしこれは、ある意味で自分の気持ち次第のところもある。たとえば、「お金のために働く」と言っても、

「お金がないと生活していけないから、お金のために働かなければならない」というのと、
「お金がたくさん欲しいから、お金のために働きたい」

というのはニュアンスが違う。

「社会貢献したい」のと、
「社会人として、仕事を通して社会的役割を果たさなければならない」

というのは違う。

まず、心に浮かんでくる「自分が働く目的」を、自分の気持ちに素直に従って

(1)WILL:したいこと
(2)MUST:しなければならないこと

の2つに分けてみよう。
コンビニバイトでも
仕事の動機については、一般論としては分かるけれども、たとえば

「別に、今たかだかコンビニバイトぐらいで・・・動機もへったくれもないだろう」

などというふうに思う人もいるかもしれない。しかし、では何ら動機らしきものも何もなく働くのか、また、何の希望も持たずに働くことができるのか、と言えば、実際にはそうではない。

動機というのは、何もご立派なものである必要はない。

それとともに、案外見落とされがちなのは「どのように働きたいか」という、条件だ。たとえば、

「仲間とは仲良くしたい」けれども、
「仕事とプライベートは分けて考えたい」とか、

「お金はたくさん稼ぎたい」けれども、
「長時間勤務は嫌だ」とか、

「ステータスを得られる職場に属したい」けれども
「他人と競争したくない」とか、

働く動機というものは、必ずしも単純にそれだけを絶対化して追求するわけではなく、このような「但し書き」がついているのが常だ。そして、これは、アルバイトだろうとパートだろうと、まったく考えもしない、と言う人のほうが少ないはずだ。

そしてこれらは、

(1)WILL:したいこと
(2)MUST:しなければならないこと

の視点で見ると「WILL」に属することが多いので、むしろ大切にするべきだと私は思う。ただ、これも感じ方次第のところがあって、人によっては、このようなディテールにばかりこだわって

「少しでも待遇・条件のいいところじゃなきゃ嫌だ」
「もっと楽なところじゃなければ働けない」

もっと極端に言えば、

「雇用環境は重視されるべきだ」
「労働者はもっと優遇されるべきだ」

というように強く信じているかもしれない。これは、言ってみれば、働く目的そのものよりも、むしろ条件の方が自分にとって「MUST」に近く感じられているということだろう。アルバイトのスタッフさんの場合、まず強く意識されるのはむしろこういう面かもしれない。

最初はそれでもよい。このような「働くに当たっての希望」をしっかり考えてみるのは良いことだ。それは、自分の動機を裏面から分析するようなものだから。

何を動機とし、何を条件とみなすかは自分の価値観、労働観による。何が正しい、何が間違いだと他人が言うこともできない。ただ、本人の選択によってリターンも変わってくるから、自分が納得できるように、しっかり考え続けなければならないと思う。
「売り」は何なのか
では、いったん媒体は置いといて、どういう募集記事をのっけるか、ですが、

一番に考えるべきことは、時給・時間帯、休日が・・・そういうことではありません。(と言うか、そういうことは、お店をやっているのであれば、すでにもともと決まっているはずですが・・・)

よく見られるのは、

「どんな条件だったら、応募者が集まりやすいのだろう」

と考え始めて、結果的に現行の勤務条件と整合性のない募集条件を掲載してしまう、といった例です。ふだんから、人集めに苦労している、という意識があるとそうなりがちです。しかし、これが本来的ではないということは、誰の目にも明らかではないでしょうか。

私が思う、一番の決定事項は、あなたのお店で働くにあたって「何を売りにするか」ということでしょう。

たいした「売り」なんかないって?・・・!

それがいけないのです。それが皆目見当もつかない、というのであれば、有料掲載は本当に無駄になってしまいます。

もし、そういうことなら、先に述べた、「近隣調達型」の、「無料」の人員調達方法を、いかに有効に行うかを先に考えてください。長期的にはその方がよっぽど役に立ちますから。

「売り」というのは、どういうことでもいいんです。たとえば、

○他に比べて好待遇
○こんな特典がある

というような点もそうですし、

○こんなやりがいがある
○こんな楽しい仕事だよ

でもいいし、

○スキルが身に付けられる
○頑張りに応じて、見返りがある

でもいいんです。ただし、

「あなたが本当にそう思っている」

ということが条件です。募集のために、うたい文句だけを考えてもダメです。

もちろん、こういう「売り」の部分を強調することは諸刃の剣とも言えます。それに魅力を感じない人にとっては、むしろミスマッチを強調してしまうからです。だから、「本当のこと」でなければダメなんです。本当にそれに魅力を感じた人を集めなければ意味がないんですから。

実際の問題は、「応募者の数」ではありません。先の「13」人というのは、採用し、ある期間働いていただくスタッフさんの数でしょう。だから、基本的に考え方や、魅力を感じる部分が合致している人に来てもらわなければ意味がありません。そもそも筋違いな人材ばかりが応募してきても、処理が増えるだけでむしろマイナスとさえ言えます。
働く動機と条件
今までの話から、つまり仕事するからには

(1)動機
(2)条件

が同時に満たされることが望ましいということになる。そこで、働く人の気持ちを「動機→条件」という流れで見ると、大きく分けて

(1)「MUST→MUST」型
(2)「MUST→WILL」型
(3)「WILL→MUST」型
(4)「WILL→WILL」型

の4つが存在することが分かる。今のところ、あなたはこのうちのどれに属していると思うだろうか。


(2)「MUST→WILL」型

たとえば、4つの分類のうち、(2)「MUST→WILL」型というのは、働くそもそもの理由はMUSTに支配されているが、条件については期待の高いタイプ。

典型的な場合を挙げれば、

「本当は仕事なんてしたくない、遊んで暮らしたい。しかし、生活のためには働かなきゃいけない。で、どうせ働くんだったら、なるべく楽で、休みが多くて、それなりに給料も期待できるところが良い」

というような考え方は「MUST→WILL」型に分類される。極端に言えば、こういう考え方の人にとって仕事は苦痛でしかない。

しかし、社会人の中にも、こういう人はけっこう多いかもしれない。現実には「しなければならない」のだから、それなりに努力をして、自分に課せられている「MUST」をこなし続けてゆくことになる。


(3)「WILL→MUST」型

これと対照的なのが、(3)「WILL→MUST」型だ。

このタイプの人は、自分のWILLに忠実に働くことを望んでいる。それを達成するためなら、「条件」は二次的なものと考えるので、短絡的には求めない。「自分自身の目的」の達成を優先するという視点で考えれば、「条件」というのはむしろ「制約」になってしまうからだ。

「自分は仕事を通して、このような目標を達成したい。だから、そのためにしなければならないことは受け入れて努力する」

ということが明確になっていて、だから人より努力できるし、成長も早いことが多い。動機が強いことは当然働く上では有利である。
動機を育てる
お店という場を職場として選ぶ人の中には、さまざまな動機を持つ人が混在している。大まかに分類すると、

(1)成り行き型:アルバイトなどの経験から継続するタイプ
(2)逃避型:一般的な就職先を敬遠しているタイプ
(3)自己実現型:経営したいと思っているタイプ
(4)後継ぎ型:家業を引き継ぐ場合など

が挙げられると思う。自分がどういった理由で「お店で働く」ことを選んだのか、確認しよう。

そして、先に言った

(1)WILL:したいこと
(2)MUST:しなければならないこと

との関連性を考えて欲しい。最初の時点では、お店で働くことを選ぶに至った経緯と、本人の動機のタイプや明確さにはある程度相関性があると考えられる。

たとえば、成り行き型に当てはまる人の中には、自分がお店で働くのはなぜか、と聞かれて、ふと答えに窮してしまうかもしれない。漠然と、「働かなければならない」という事実だけが感じられていて、特に理由など見つからないかもしれない。もし、そうだとすれば、今の時点では「MUST」がかなりの割合を占めていると考えられそうだ。

しかし、最初のいきさつは同じでも、働いているうちに、お店の仕事というものに大きな魅力を見出して、より自発的に「お店で働きたい」という気持ちが強くなってきた、という人だっているだろう。「成り行き型→自己実現型」という推移は非常に一般的なことで、何も不思議はない。

ただし、これは、ただ単純に「気持ちの持ち方」だけで選べるものではない。なぜなら、自分の仕事を「WILL」に近づけるためには、それなりのコントロールや、スキルが必要だからだ。

みんなそのために自分の実力を向上し、成長しようとするのだ。

逆に言えば、自分がより実力を向上し、成長すれば「WILL」に従って仕事を選択できる余地が増えてくる、ということもできる。

もちろん、働く動機を「WILL」と感じられれば、主観的には気分が良い。そして、最終的に

(4)「WILL→WILL」型

に達すれば理想的である。いわゆる「勝ち組」であり、成功者である。

さあ、少し「働く動機」らしきものが頭に浮かんできただろうか。では、このように考えて、一応の答えを出してみよう。

ただし、これはあくまでも暫定的なものと考えて欲しい。今決める必要はないし、今思い浮かんでくるものに執着するのはむしろ良くない。繰り返すが、何よりも大切なのは「継続的に考えること」だと私は思う。

「WILLを育てる」

という気持ちを持って欲しい。
その他の募集条件
その他の諸条件については、基本的に記事を作ってくれる各媒体の担当の方に聞けば、たいてい丁寧に教えてくれます。ポイントだけをもう一度挙げるとすれば、

○現行の待遇や条件で募集すること

特に条件を決め直すのであれば、先に内部での変更を済ませておくこと。現状と別条件で募集するのは、本来おかしなことですし、本当にほしい人材を集めるためには有効とは思えません。

○先に述べた、「売り」の部分は絶対掲載すること

記事のボリュームなどの問題から、最終的に削除されやすい部分ですが、これがないと、今後募集する際の改善の手がかりも何も残らず、単発募集を繰り返しているのと変わらないことになります。意地でも掲載します。それが、次回の布石にもなるのです。
 
○掲載日を焦って決めないこと

募集は、往々にして締め切りぎりぎりに決定するものですが、もし、準備不足と感じたなら思い切って延期するくらいの気持ちでいいと思います。担当者の方を困らせるかもしれませんが、納得ゆく募集ができなかった時に責任を取ってくれるというわけでもないのですから、ここは徹底。

また、雑誌などの媒体では、さまざまに特集が組まれており、募集条件とマッチしたときに掲載したいと考えるものです。また、代理店の方もそれを強く勧めてくると思いますが、少なくとも私の経験から言えば、特集にマッチしているかどうかと、採用者の数とは何の相関性も感じたことはありません。

ちなみに、自分が働くと考えた場合、求人雑誌の「○○特集」と言うのをどの程度気にするでしょうか?自分が気にするならば考慮してもいいですが、それよりも、大きな問題はむしろ、すべての対応が後手後手になることで、有効な応募者を取りこぼすリスクの方が高くなるということではないでしょうか。
※管理者の方へ
(前提のギャップ)

雇用者からすれば、このような前提的な意向・条件は、本人の判断と選択によるものであり、そもそも、それに照らしてある決断をした上で求職すべきだという感覚がある。それは確かに正論だ。

しかし、被雇用者からすれば、それをあらかじめ明確に定めること自体とても難しい作業だという意識がある。特に、実務経験のない若者には想像すらつかない問題である。まして、実際行われている募集、面接、採用、研修などの状況を見れば、求職者が主体的に自分の動機にマッチした職場を探すべきだという主張はきわめて空論的だと言わざるを得ない。

被雇用者は実際に採用されて、働き始めてからでないと、職場の良し悪し、マッチングについて判断できない。多くの求職者、被雇用者にとっては、とにかく雇われることが先決であり、一定期間雇用が継続されていることを確認した後、やっと恐る恐るそういった問題を考え始めるのである。それどころか、多くの被雇用者は、こういった点についてそもそも問題意識を持たずに就職してくる。彼らは、働きながら、実際の業務経験を通して、こういった問題にはじめて直面するのである。


(動機のレベル)

お店で働く動機と一口に言っても、必ずしも

「店長になりたい」
「社員になりたい」

というようなレベルのものとは限らない。単に

「空いた時間を利用して、小遣いを稼ぎたい」

といった類のものも立派な動機であり、それならそれで、同じように明確にするべきである。たとえ、一アルバイトスタッフであっても、自分の動機をはっきりと自覚させるメリットは大きい。

ただ、動機は決して固定的なものではなく、本人を取り巻く環境や、業務上の経験などによって推移するのがふつうなので、柔軟に、長期的に見守ることも必要である。
募集する前に決めておくこと
もし、すでに早急に募集するのっぴきならない事情があるのであれば別ですが、長期的に採用業務をルーチン化し、同時にもっと効果の高いものに仕上げてゆくには、考えるべきことが多くあります。

○お店に属する全員が守るべき最低ラインのルールを明確にすること
○スタッフの研修の段階と、それぞれに費やす期間を見きわめること
○全スタッフさんの採用から退職に至る期間の分布を想定すること
○業務に見合った人員配置、時間帯ごとの必要人員の量と質を決定すること
○役割の分担を設定すること。それに必要な能力とスキルを明らかにすること
○募集費・指導費・交通費を、各個人と総額において決定しておくこと

これらは、単に「採用」のために必要というよりも、お店を円滑に運営し、継続的にサービスの質を保ったり、よりお客様満足を追求したりといったことにも関わる問題を含んでいるところもあるので、できれば優先的に取り組んでほしいと思うのです。

特に、ボトム(最低ラインのルール)は、お店の守りの要です。

お店をやっていると、実情に流されて、理想と現実がどんどん乖離して、修復不可能に感じられてしまうことがありますね。私自身、そういう心境に傾くことが何度もあったように思います。

特に、20代の頃、若いうちは熱意も体力もある反面、精神的な波も大きく、しかもそれがどれほど危険なことか、というような大局観も足りないので、いつの間にか「ここは絶対譲れない」という一線を、譲ってしまうことになりがちだと思います。

余談ですが、この点では、定期的に転勤がある本部社員や、法人の雇われ店長というのは案外有利であり、結局組織に守られていたんだな、と今になって感じます。

今、立場が変わって私も一加盟者であり、経営者という立場です。「やっていい失敗と、絶対にいけない失敗」を見極めることがより重要に感じられます。もちろん、まだ、フランチャイズというシステムに守られているわけですが、少なくとも今は「守られている」という自覚があります。

いずれにしろ、

スタッフさんの意向を聞き入れざるを得ないこと。
人手不足のため、本音では採用できない人を採らざるを得ない状況。
時間が足りない、忙しい、そのためにどうしても手が回らない自分。

そんな時、少なくとも意識の上で、どんな状況であっても「それは絶対に譲れない」というルールなり、姿勢なりが明確になっており、それがスタッフさんとも共有できているかどうか、ということは、お店の「生命線」といっても過言ではありません。
良心に期待する?
たとえば、服装。
たとえば、挨拶。
遅刻や、欠勤についてのルール。

こういったものは、誰もが自分の都合で変更しうる点ではないでしょうか。

ルールだけは一応あるが、実質的に誰も守っていないということになってはいないでしょうか。こういう問題は、原則としてルールを厳格に適用するというのがお店の「守り」にもなります。ルールが形式的なものという感覚になってしまうと、結局各人の判断が横行することになります。

もちろん、素行の悪いスタッフさんばかりではないですから、各人の良心と、仕事観にゆだねても、「何となく」成り立ってゆくようにも思えるでしょう。個人的に注意を与えれば済むという考え方もあるでしょう。

しかし、考えてください。

そもそも、スタッフさん本人の良心に期待するのなら、なぜ、

明確に示されたルールに積極的に従うことを期待できないのでしょうか。

ふつうに考えて、その方が簡単な行為であるはずなのに・・・

何となく、煩わしい問題を避けるために、「本人の良心」「本人の自覚」という言葉でお茶を濁しているのだとしたら、それは誰の責任でしょうか。

日常的なルールやマナー一つひとつを言い出せば、各個人の考えはもちろんあるでしょう。しかし、まずその意図を疑わざるを得ません。

また、たとえ良心に基づいているとしても、

「服装は、こういう理由で、こうでなければならない」
「挨拶は・・・遅刻は・・・欠勤するときは・・・」

そういう話をすることに費やしている時間は、有意義なんでしょうか。

「僕はこう思います・・・」
「イヤ、しかし、それは・・・だからね」
「いいえ、でも・・・」

有意義といえば有意義かもしれませんけど。しかし、お店にとってのプライオリティはどうなりますか。

「では、これだったらいいですか」
「それもちょっとねえ・・・」
「だって、○○さんの場合は・・・」
「イヤ、彼の場合はこうで、それは仕方ないんじゃない」
「そうでしょうか」
「そうだよ」

十分に時間をとって、じっくりと話すとすれば、解決する問題でしょうか。あなたが店長さんだとしたら、最終的にどのように判断するのですか。

「いいから、この通りにしろ!」
「言うことが聞けないんだったら、辞めてもらう」

となることは絶対にないですか。または、

「まあ、君の言うことももっともだし、じゃあ、それでいいよ」
「・・・」
「じゃあ、それだったら、こういう場合も」
「じゃあ、私も・・・」
「じゃあ、いっそのこと・・・」

とはなりませんか。

ボトムはしっかりと、明確にした方がいいことは明らかです。

仮にルールについて議論するにしても、すでに現在全員が守っている、明確に共有されているルールを前提に意見を交わすのと、「誰も守ってないじゃないか」というところから話を始めるのと、どちらが効率的であり、建設的でしょうか。

試しに、ひとつ質問をします。

あなたが、お店で働いてもらうスタッフさんに求めることで、「これだけは絶対に譲れない」とはっきり言えることは何ですか?
研修の段階と期間
皆さんは、お店で行われる、いわゆる「研修」について、どのようなイメージを持っているでしょうか。

私が見る限りですが、採用されてから一定期間までの、いわゆる「初期研修」については、ある程度形が決まっていたり、店長さんが直々に指導したりと、(不十分な点がないとは言えませんが)実質的に一定の仕組みが成り立っていることが多いと思います。

しかし、大規模店舗は別として、個人経営規模のお店で、それ以降の指導・育成の仕組みを持っているというお店は見る限り皆無です。せっかく時間をかけて初期研修しても、その後の戦力化や、中核スタッフに対する継続的な指導が、「業務」として認められていないのです。

あるいは、店長さんの個人的なスキルに頼った、非常に効率の悪い、ランダムで、アナログな指導しか望めません。そういうレベルの指導は、まるで「一子相伝」であるかのように扱われているのです。これは、大変もったいないことだと感じます。

大手のファーストフード店などでは、かなり緻密に業務手順が決められ、細分化された上で、それに厳密な階級を当てはめて、従業員の研修および評価を行う手法が見られます。もちろん、これは1つには、求められる作業や業務の種類自体が限られており、また、いちいち本人の判断を必要としないようにマニュアル化できるということが関連しています。

そういった手法は必ずしもそのまま取り入れることができないかもしれません。他方でさまざまな障害が想像されると思います。

しかし、それほど厳密でないにせよ、せめて研修を「初期」「一般」「上級」くらいに分けて、スタッフの指導・業務の習得を段階的に促すくらいの制度はぜひ必要だと思います。

そういう構えがないと、結果的にごく初期の研修は通過したものの、それ以上の業務には戦力となりにくい、「新人に毛の生えた」ようなスタッフさんばかりでお店を運営せざるを得ない状況に陥ります。

そうなると、必然的にほとんどの業務を店長さん1人か、ごく限られた優秀で協力的なスタッフさんだけでコントロールしていかなければなりません。そこに生きがいを見出してくれるようなスタッフさんもいるにはいますが、長期的に見てそれはお店にとって良いことなのか疑問です。

それ以上に、それはそのスタッフさん本人にとっても、また、店長さん本人にとっても本当に良いことなのか、と考えると、非常に疑わしいと私は思うのですが。

詳しくは後にあらためますが、このように「募集」というものは、他の実務と密接に関わりがあり、それによって効果もかなり変わってくるというのは避けられない気がします。
仕事そのものの目的
ここまでは、「自分が仕事をする目的」について明確にするという話だった。次に、もう一方の面で「目的」について考えていこう。と言うのは、お店に限らず、仕事には「仕事そのものの目的」というものがあるからだ。つまり、その仕事が、お客様などに提供しようとするものは何か、ということだ。

多くの人は、「自分の動機」と「仕事そのものが持っている目的」を混同して考えてしまう。しかし、この2つは、本来まったく別のものである。

仕事をするからには、例えあなたが何を求めていようと、それとは無関係に「仕事そのものの目的」を果たすことを要求される。

分かりやすく言葉を区別すると、「あなたが仕事をする目的」ではなく、「仕事そのものに内在する目的」のことを、「規準」と言う。

この、「動機」と「規準」の両方が明確になっているのが理想的な姿だ。しかし、自分の仕事の規準をはっきり答えられる人も、なかなかいない。

もちろん、お店で働く時には、「そのお店が提供しようとしているもの」を、きちんと提供するということが「規準」である。ところで、「お店が提供しようとするもの」とは、いったいなんだろうか?

まず、その前に、それは誰に提供するものだろうか?と考えると、

「もちろん、お客様にです」

と、ほとんどの人が答えると思う。つまり、単純に言えば

お店は、お客様に「何か」を提供するために存在している

では、その「何か」とは何なのか?実は、これに対する答えはない。と言うのは、それは「そのお店をやっている人が決めること」だからだ。
規準について話し合おう
試しに、店長さんに「このお店は、お客様に何を提供しようとしているのですか?」と聞いてみよう。ただ、もし、店長さんがその質問に答えられないとしても、軽蔑してはならない。実は、これは非常に難しい質問なのだ。もし、即答できる店長さんがもしいたら、そのお店はきっとすでに一流のお店に違いない。

なぜ、店長さんですら答えにくいかというと、まず、

(1)店長さん自身がそれを深く考えていない

という場合ももちろん考えられる。しかし、理由はそれだけではない。むしろ、

(2)店長さん自身は規準を持っていても、それを誰もが理解できるとは限らない
(3)店長さんが考えている規準を満たすだけの「資源」がない

といった問題のほうが大きい。

規準というのは、単なる「理想」ともまた違ったものである。規準とは、現実にそれを行うことを前提としているからだ。

たとえば、

「良いものを安く売る」

ということが規準だとすれば、それは理想論ではなく現実にそうしなければならない。それが実現されていなければ、仕事の規準=お店の存在理由は達成されていないということなのである。

「お客様第一に考える」

ということを規準とするならば、それは現実に徹底されていなければならない。規準とは、お題目でも空論でもなく、実際に達成する責任のある「提供物」であると言える。

こんな話を、仲間といつも話し合うと良い。
人員サイクル
年間の新規採用者数の予測の精度を向上するということもありますが、そのスタッフさんに対して、どのような指導を、どの程度のコストで行うべきかを判断する際には、「その人がどれくらいの期間、お店で働いてくれるのか」ということを前提に考えなければなりません。

また、採用から退職への時間的な、俯瞰的分布も考慮しなければならないと思います。よくあるのは、毎年同じ時期に(例えば、学生の卒業時期である4月など)まとめて人員が入れ替わるのが、習慣のようになっているお店です。これは、お店からすれば、リスクが高くなります。

そこで、まず、スタッフさんがいつ採用され、いつ辞めてゆくのだろうということを、少なくとも「想像」しておくことが必要になってくるわけです。

面接時、店長さんが「この人は、非常に優秀で、お店に貢献してくれそうだなあ」と感じたとします。でも、面接にやってきたこのスタッフさんは、もともと3ヶ月程度の短期採用を目当てに応募してきたのでした。その場合、その人に望める業務はそもそも限定的なものにせざるを得ないでしょう。よく、

「せっかくここまで育てて、これから、というときに辞められてしまって・・・」

という話を聞くことがあります。それは、もちろん、他にいろいろな理由が想起されますが、仮に、その時期に辞めるということが、もっと早い時点で分かっていたとしたら、このような嘆きを聞く機会はもっと減るでしょう。

それに、拙著でも触れましたが、そもそも人的環境というのは、ある程度の流動性を持たせた方が実は機能的であるという認識を持たなければならないと思います。

とにかく、永遠に働いてくれることを前提にするのは、きわめて非現実的です。もちろん、頭では分かっているとは思いますが、では、実際のオペレーションや、コミュニケーションについて、それが反映されているか、と聞けば疑わしいです。
いい人探しはやめよう
多くの店長さんは、必要人員の数については気にしますが、その「質」となると、非常に漠然としか考えていない、という印象があります。

「どういう人が欲しいのですか?」

と聞くと、

「いい人」

ではまったく答えになりません。また、

「まじめで、常識のある人」
「明るくて、元気な人」
「自分から動ける人」

というような話もよく聞きますが、これも、あまり具体的とは言えません。試しに、

「なぜ、そのようなヒトが欲しいのか」

を答えてください。

「自分が仕事しやすいから」ですか?
「客商売だから」ですか?

いずれにしろ、上の答えは「具体的な役割」と結びついていません。つまり、その人に実際のところ何をしてほしいのですか?これを決めないと、どういう人がふさわしいのかも分からないはずです。

まず、どの業務を知り、行うのかという明確な分担の設定が先にあり、したがって、それに伴う必要な能力とスキル、そして本人の動機や意思などが問題になってくるはずなのです。

細かく考えれば、たとえば現金を扱う際に必要な資質と、お店の掃除をするときに必要な資質は異なるのが当然でしょう。共通する部分もありますが、まったく共通ということはありえません。

そういう具体的な面を決定するかわりに、十把一絡げに「いい人」と表現しているのは、かなりいい加減であり、はっきり言えば、それは言い訳です。自分の準備不足を応募者とか社会情勢のせいにしているだけです。
鍋焼きうどん
私が、FC本部直営店の店長だった頃の話です。

アルバイトのA君があわてた様子で事務所に飛び込んできました。

「あの~店長、、ヤクザが店長を呼んでいるんですけど」
「え!?何?どいうこと?」
「わかりません。ただ店長を呼んでくれって・・・」

訳も分からず、A君に案内されて行くと、売り場に「いかにも」なおじさんが・・・
おじさんは、「表へ出ろ!」と指差して合図しました。言われるがままに外に出ると、彼は何も言わず駐車場の方へ。外はすでに真っ暗。正直言って、かなりヤバイ状況と思った私。いつでもダッシュで逃げれるよう、微妙に距離をおいて、そろそろと彼の後をついて行きました。

ところが、おじさんは車の中から、私のお店で買ったという

鍋焼きうどん

を出してきたのでした・・・うん?なんだ、このうどんは・・・一瞬後、とりあえず、私はやっと、「あ、クレームだ・・・」と分かって、むしろホッとしました。

「おい店長さんよ、これちょっとニオイをかいでみろ?」

何も言わずに私が鼻を近づけると、彼はすかさず

「どうだ?くさいだろ?」
「は、はい。そう言われれば、確かにくさいような・・・」
「だろ!どういうことなんだ?お前のトコは、こんな商品を客に売りつけるのか?どうしてくれるんだ!」
「・・・」
「店でこんなことわめいたら、マズイと思ったから、わざわざ外で話してやっているんだぞ!」
お客様、信用ですか
私は、とりあえず型どおりのお詫びを述べ、鍋焼きうどんを預かり、調査する旨伝えました。

「わかった。おまえを信用するから、次来る時までに調べておけ」

そう言い残し、去って行きました。事務所に戻ると、私はしばらく呆然と鍋焼きうどんを見つめていました。とりあえず、ビビッた~

まあ、結果的には商品クレームだということが分かりました。こういう場合の対処はパターンがあるので、私もホッとしていました。さっそく、メーカーに事情を説明し、対応協力を要請。メーカーは自社の検査部と公的な検査機関の両方での検査をするとのことでした。しかし、まあ予測どおりなのですが、検査結果は

「問題なし」

一応の説明としては、鍋を火にかけてから少し時間をおいてから召し上がったのではないか。温度が少し下がった状態だったので異臭を感じたのではないか?ということでした。

「んなこと、お客様に直接言ってくれ・・・」

なんて思わず悪態をつきたい気持ちをぐっとこらえて、

「分かりました。ご対応、ありがとうございました」

後から聞いた話ですが、メーカーの方でもお客様に直接連絡を取ったようです。そして、そのことがさらに状況を悪化させていたようで・・・

こちらから連絡する前に、さっそく来ました。今度は、若い男性。いわゆる弟分ってヤツですか・・・

「○○さんが外でお待ちですので来ていただけますか?」

店内では口調は優しいが、やはりこわい。駐車場へ行くと、黒塗りのベンツからおじさんの顔が見えました。窓越しに調査結果を説明する私に、おじさんは激怒!

「おまえを信用して商品を渡したんだぞ!」
「なんだ!問題なしって!」
「前もニオイをカイダだろ!」

・・・

「おい!とりあえず車に乗れ!!」
「いや・・・それはできません」
「いーいから乗れや!!(弟分)」
「すみません。それは勘弁してください」

通行人が集まってきた。
目的のない仕事などない
よく、作業と仕事は違うと言われるが、これを隔てているのは「規準が明確に自覚されているかどうか」という点がひとつ大きい。

作業はこなせても、やっている事柄全体の規準が自分の中で「表現できる」ほど明確になっていないことが多い。それによって「仕事」と呼べるかどうかははっきり分かれる。

そして、それはあなた個人のレベルでも言えることだが、たとえば、一軒のお店全体についても当てはまる。つまり、お店がお店として成り立つには、

「お店が存在する、そもそもの目的=規準は何か」

ということが、できる限り明確でなければならない。お店で実際に発生する問題のほとんどは、それについての不明確さから派生している。

そして、これは、ごく大ざっぱに言い表すこともできるし、きわめて詳細に、丁寧に表現することもできる。極端に言えば、そのお店の規準が大ざっぱだと、すべてのオペレーションも大ざっぱになり、よってお客様に提供される実際のサービスも大ざっぱになる。規準について詳細に、丁寧に考え、決めておけばそれだけ、オペレーションも丁寧になり、お客様に提供されるサービスはきめ細かく、また、方向性のはっきりしたものになる。

物事を具体的に明確にするために、しばしば「5W1H」という言い方をする。それに則って自分自身の仕事について、明確な規準を追求してゆく。

また、お店が提供しようとする規準も考えてみてほしい。規準は、第一義的にはお店の経営者によって決まる。ただし、必ずしも、オーナーや、店長さんだけが独占的に決定すべきものだとも言えない。実際には、そこで働く一人一人のスタッフの認識や、モチベーションや、スキルによっても左右される。

店長さんや、仲間と話し合ってみるといい。そういう過程の中で、お店の規準というものはより練られてゆく。
誠意を見せろ
正直、一番クレームをもらいたくないタイプのお客様。お店としては、特に非があるわけではないのですが、メーカーとのやり取りで話がこじれ、もはや説得も難しい状態。

ところが、その日はあまり時間がなかったらしく、お客様は、

「○○日にまた来るから、その時までにどうするか結論を考えておけ」

と言い残し、なぜか早々に帰って行ってくれました。とりあえず助かった。しかし、どうしたもんか・・・。

FC本部の店舗担当も

「とりあえず、ひたすら平謝りで謝るしかないんじゃないですかね~」

とまるで他人事。ああ、そうでしょう。当事者は私なんですから。こうなったら、正論で突っぱねるしかないな、と開き直った私。

約束の日、今度は女性連れでお店にやって来たおじさん。店に入るや

「店長いるか~」

と大声を出し、いきなり事務所に入って来る。

「椅子はないのか~!」
「あ、はい、こちらにどうぞ・・・」
「で店長さんよ~、どうなった?」
「先日もお話した通り、公の機関で調査させていただいた結果、特に問題なしということでしたので、アンタラカンタラ・・・」
「なんじゃ?それゃあ?そんなことを聞いてんじゃねーんだよ!」
「お宅の店で買ったものが臭かったんだよ!だからどうしてくれるんだと聞いてんだ!」

つまり、こういうことです。原因は関係なくて、「どうしてくれるのか」だけが問題だと。そして、ついに決めゼリフを・・・

「誠意を見せろ!」
「・・・」
「店長さんよ。お前も子供じゃないんだから~。お互い忙しい身なんだからさ~」
「誠意を見せてくれればそれでいいんだよ・・・」

この瞬間、お客様の意図がはっきり掴めた、と確信した私は、予定通り正論をぶちまけた。

「お客様、私たちは○○の看板を掲げて営業しております」
「私どもが考える誠意とは、原因を正確に調査し、ありのままの結果をお客様にお伝えし、公表することだと思っております」
「お客様の仰る『誠意』とは違いますが、社会的な責任を持つ一企業として、応じることはできません」

「そんなのしるか!誠意を見せろ!!」

とお客様は何度も言い張った。私も上のセリフを繰り返し言い張った。後は押し問答・・・

結局、お客様は

「とりあえず今日は時間がないから帰る。どうなっても知らねーぞ!」

と捨てセリフを吐いて帰って行きました。その後二度と現れることはありませんでした。
シフトの最適化
「シフトの枠を作る」という作業があります。この時、多くのお店さんでは、「何時から何時まで、何人」というようなごく大まかなイメージで、設定を考えます。

それで、私は実際にお店さんの指導を行う時に、よくやるのですが、まず、シフトの前に、「作業スケジュール」を作るという作業をします。

これ自体が、かなりあいまいなお店さんが多いからです。ところが、このように指導すると、かなり多くの方が、

「何が起こるか分からないので、作業スケジュールを想定しても意味がない」

と言います。私は、

「何が起こるか分からないからこそ、あらかじめ分かっている部分をはっきりさせておくべきなのではないですか?」

と説明します。また、

「実際、この時間は何人必要なんです」

と言い張って譲らない場合もしばしばあります。多くの場合、それは現場にいるスタッフさんたちが、現状に合わせて作業を進めた結果だということに気がついて欲しいものです。みんな、今そうなってるから、そうやっているんだということです。

作業には、条件として実施する時刻が変更できないものと、考慮の余地が多々あるものが混在しているはずです。ちなみに、問題が多いお店さんほど、時刻が変更できない作業だけを優先的に行う傾向があります。つまり、「期限」によって強制されないと仕事できない病です。店長さんからして、この病気にかかっている場合も少なくありません。

作業スケジュールを、少なくとも想定した後に、シフトの設定をすべきです。そして、実質的人件費総額(募集費、指導費、交通費も含めたもの)を算出し、売上・利益との兼ね合いを見ます。シフトというのは、単に働くスタッフさん各自の都合を調整するための道具ではないのです。

ここまで述べた点を遜色ない程度まで見直せば、とりあえず募集活動に費やすコストは捨て金にならずに済むでしょう。しかし、お店の人員調達力を向上するためには、店長さん自身の多岐に渡るスキルと、情報収集が欠かせません。すぐに成果を求めるのではなく、自らの「人員調達スキル」をアップするためにも、長期的に取り組んでほしいと思います。(終)
仕事の目的を意識する
私のお店では、新たに採用されたスタッフさんには、社員、アルバイト問わず最初に「あなたの仕事の目的」として、次のように説明することにしている。


お客様が喜んで買い物をしてくれる良いお店を作ること。その一員として良い販売員になること。一つひとつの作業は、この目的のための手段に過ぎない。作業自体は仕事の目的ではない。


言い方は悪いが、最初は、とにかく意味も分からずこの言葉を暗記させる。その後、初期研修へと進む。

すると、ほとんどのスタッフさんは、

「分かりました」
「はい、私もそう思います」
「そうなれるようにがんばります」

と言ってくれる。どこまで本気かはさて置き、それで一応合格。

これで、少なくとも、上で述べたことを前提としてスタッフさんと話をすることができる。つまり、この時点で、もう

「お店のことなど、自分には無関係だ」とか、
「私は私なりにがんばってるんだから、結果は知らない」

というようなことは言えないようにする。これが第一の狙いだ。

しかし、私が期待するのは本当はそれだけではなく、今まで述べたように、「規準」というものを自覚してほしいというのが本音だ。その点からすると、上の表現は、実はきわめて抽象的で、あいまいなものに過ぎない。実際、最初これを聞いたとき、ごく自然に

「良いお店って何ですか?」
「良い販売員って、どういうことですか?」

などと質問する人もいる。ところが、やはり日が経つに連れて、また、実際の作業を覚えることに頭がいっぱいになるに連れて、最初に言ったことなどすっかり忘れてしまうスタッフさんが少なくない。それを書いたマニュアルは常に目の前にあるにもかかわらず・・・

だから、最初聞かれたときは、特に何も答えず、

「それを見つけるのも仕事だよ」とか、
「作業を覚えてゆく中で、質問があったらどうぞ」

と、あえてはぐらかす。

しかし、それでも何割かのスタッフさんは、忘れた頃何かの拍子に、

「こんなことがあったけど、これは良いお店ですかね?」
「私はこう処理しましたが、これは良い販売員ですか?」

などと、嬉しいきっかけを作ってくれる。実は、第二の狙いはそこにある。

こういうスタッフさんは期待できる。最初に言われたことと、今起こっていることを結び付けて考える習慣を持っているからだ。

また、初めから店舗管理者を志望してきた社員候補の方などに対しては、そういう意識が芽生えるようこちらで誘導することもある。こういう部分から「指導」が必要だと思う。
気分的な違い
募集に力を入れるとして、次に、すぐ問題になるのは「応募者の受付対応」です。

募集を出したら、とにかく面接だとばかり、気がはやります。どんなヒトが来てくれるのか、ワクワクする瞬間です。新しい人と出会うのは、楽しいものです。

しかし、そう思っているのはたぶん、店長さんだけ?

かもしれません。当然、応募する側からすれば、電話をかけるのも、面接を受けるのも、どちらかといえば気が重いものです。面接するのと、面接されるのと、どちらがやりたいかと考えれば、相手の心境も分かるというものです。

もうひとつ考慮すべきなのは、すでにお店で働いているスタッフさんの心理です。もちろん、

「どんな人が応募してくるんだろう?」
「新人さんが入ったら、私も先輩になるんだ・・・」

といった興味や期待が生じます。ですが、肯定的な受け止め方ばかりとは限りません。新たに募集をかけるということは、考えようによっては、ライバルが増えるということであり、比較の対象が多くなるということに他なりません。スタッフさんによっては、

「自分たちに不満でもあるのではないか」
「スタッフを入れ替えようとしているのではないか」

と疑心暗鬼になります。そして、そういう思いが、電話対応や、面接時の気配りなどにも影響してくるはずです。

当然ですが、面接に来た人は、必ずそのお店の雰囲気を見ます。特に、その時に働いている一般のスタッフさんは、未来の自分と映るわけですから、面接者のお店に対する印象を大きく左右します。配慮が必要です。

このように、店長さんは、募集を強化した時には、むしろ内部の変化に敏感であらねばなりません。期待に胸膨らませて、浮かれてばかりいられないのです。
堂々と正論を吐く
誠意という言葉は、まさに都合のいい言葉です。お客様の方も、直接、金品を要求する言葉を使えば立派な犯罪になってしまうことは承知しているのです。しかし、今回のケースでは、お客様の言う誠意とは、実質的にはまさにそれを要求するものであり、私としては、むしろお客様が「誠意」という言葉を使っててくれたおかげで、吹っ切れました。

最初は、正直ビビりましたので、どう対処したらいいんだ、何とかこの場をしのぎたい、というような気持ちでしたが、やっと、

「誠意と言うなら、私が考える誠意を見せてやろうじゃないか」

という気持ちになれたのです。

「誠意が見えない」
「こちらの誠意と受け取って欲しい」

など、クレーム処理の現場でよく聞かれる言葉です。しかし、この言葉が出る場面では、たいてい、スムーズな処理ができずに、むしろ誠意とはかけ離れた打算と、その場しのぎが優先されるのではないでしょうか。実際にお店をやっている身として、確かにそういう、かけ引きじみた策が必要な場面もないとは言いませんが、むしろ、たいていは、そういう弱い部分に付け込まれてしまうと、収拾がつかなくなってしまうのです。

今回のケースは、厳密に言えば、本来の意味での「クレーム」ではなく、「似て非なるもの」でした。こういった場合には、相手の真意を把握した上で、堂々と正論を吐くことが有効なこともあります。

しかし、それからしばらくは、私は「鍋焼きうどん」は見たくもない、という心境でした。本当はこの季節とっても美味しいんですけどね・・・(終)
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